女子プロ「.WEリーグ」に込められた”社会進出”への思い 今、発足した理由とは?

日本初の女子プロサッカーリーグ「.WEリーグ」の設立が発表された【画像提供:JFA】
日本初の女子プロサッカーリーグ「.WEリーグ」の設立が発表された【画像提供:JFA】

大きなテーマ「女性の社会進出」に込める思い

 そのなかには、「女性の社会進出」が大きくテーマに掲げられている。今回のビジョンは「世界一の女子サッカーを」「世界一アクティブな女性コミュニティへ」「世界一のリーグ価値を」という3つが核。2011年、ドイツ女子ワールドカップ(W杯)でなでしこジャパンは頂点に立った。すでに10年近く経とうとしている今でも、当時の衝撃を忘れられない人は多いだろう。日本女子代表を監督として率いていた佐々木室長は「同じものを目指し、その思い、意思を体現したからこそ、認知のない小さな選手たちが日本に思いもよらぬ勇気と感動を届けた。スポーツには力がある。人を元気にすることができる」と振り返った。そんな力を目の当たりにした経験があるからこそ、佐々木室長は同リーグにおいての理念を「女子サッカー、スポーツを通じて夢や生き方の多様化発展に貢献する」と説明した。

 女性の社会進出において多様化されたライフスタイルを提案していくこと。引退後もサッカーに携わり続ける人もいれば、結婚して子供を産む人もいる。プロという厳しい社会を乗り越えてどのような道に進むのか。以前にどのような”厳しいプロリーグ”になるのか。未知数な部分は多い。だが、新型コロナウイルスの影響を受ける今だからこそ、大きな舵を切った。

「.WEリーグ」のロゴは黒文字というシンプルなものだった。それを佐々木室長は「今後カラーは様々な発展にともなって考慮していこうと思っている。現実には一色固定とは考えていない」と話した。固定観念に縛られず、柔軟にライフスタイルを受け入れる。それが飛躍のきっかけとなる。このプロ化が世界中の女性へ届くメッセージとなれば、一つ成功だったと言えるはずだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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