INACがコロナ禍で活動休止の先陣を切れたワケ 安本社長が明かす“2人のキーマン”

かつてINACに所属したFW川澄奈穂美(左)と、楽天の三木谷浩史会長【写真:Getty Images】
かつてINACに所属したFW川澄奈穂美(左)と、楽天の三木谷浩史会長【写真:Getty Images】

リーグ戦18試合の開催に向けて、安本社長はリーグにナイター照明代の援助を提言

 すでに開幕戦が延期になってから、早1カ月半が過ぎようとしている。クラブ経営を支える“3本柱”の「広告料収入」「入場料収入」「物販収入」のうち、試合が開催されなければ入場料は入ってこない。クラブとして大きな痛手を負うなかで、選手たちから少なからず懸念の声もあったという。しかし、安本社長は「経営のことは気にしなくていい」と不安を払拭するように努めた。

「プロ契約の選手たちは、お給料をもらっていいんですか、クラブ経営は大丈夫ですか、と心配してくれました。シーズンも一切開催されないとなった場合は打撃があるのは間違いありませんが、現時点で影響は少ない。選手たちも試合がないことで、モチベーションを保つのが難しいと思います。コロナ騒動が収束した時の楽しみを常に持っておくことが大事だから、いつ開幕してもいいようなコンディションというか、みんなが元気にやってくれたらいいと伝えました。クラブの経営基盤としては、なでしこリーグの中ではINACがJリーグのクラブに最も近い形ですので」

 すでに4月28日、なでしこリーグカップは中止が決定。1部・2部のリーグ戦に関しても6月28日まで試合の開催が延期となり、早くても7月開幕という状況だ。5月31日までに延長された緊急事態宣言の行方次第では、さらに後ろにずれ込む可能性もある。しかし、安本社長によれば、なでしこリーグ全体としては「リーグ戦18試合は必ずやろう」という考えで一致しているという。

「Jリーグは残り33節なので毎週やったとしても半年かかりますが、なでしこリーグは全部で18節。18週ですから約3カ月半、毎週開催したとして、最悪の場合でも8月、9月、10月、11月で行けるわけです。スタジアムの問題を考えると、平日も必要になる。その意味で8月の試合でナイターは必須です。私がリーグに言っているのは、例えば実行委員会の経費を抑えて、各クラブのホームゲームのところに、ナイター照明代の援助をしてほしいと。そうすれば夏にも試合ができますから」

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