はざまの世代を咲かせた手倉森流の人心掌握術 リオ行きのスパイスは揺るがぬ哲学と信念

DFリーダーには得点後の試合でスタメン落ち

 はざまの世代の心をつかんだことが五輪出場につながった。U-23日本代表の手倉森誠監督は、大会期間中に登録メンバーのほぼ全員をローテーション起用。まさにチーム一丸となって戦う集団を作り上げていた。指揮官は26日のリオデジャネイロ五輪最終予選の準決勝イラク戦後、繊細な人心掌握術について明らかにしている。

 世界大会にこれまで出ることができなかったリオ世代がアジアの壁を破るために、何より強調したのは競争原理だった。

「この世代に正しい競争をもたらしたい。なかなか招集しきれないが、色々ないい選手を見て、いいところを伸ばしたい。この世代の選手を、23人全員を伸ばしたい。この大会では。外すときには選手にこういう話をしている。指定席はないということも理解してもらっている。全員を伸ばしてあげたい、お互い同じ世代でライバルがいるというところも理解しあってもらっている。それが浸透してきた」

 1次リーグの3試合の段階で、大会に登録した23選手のうち22選手を起用していた。“勝ったチームは変えない”というサッカー界の格言に乗っ取れば、初戦の北朝鮮戦で勝利したメンバーを骨格にするだろう。また、固定した采配の方は「ブレない」と評価を受ける場合も多い。しかし、準々決勝イラン戦まで中2日という強行日程を乗り越えた指揮官には確固たる哲学があった。

 

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