あまりにハッピーエンディングな澤伝説の最終章 「全く悔いもなくやり切りました」

現役最終戦の皇后杯決勝で優勝弾

 伝説の最終章は、あまりにも最高なハッピーエンドだった。27日の皇后杯決勝アルビレックス新潟レディース戦で、現役最後のゲームを迎えたINAC神戸のMF澤穂希が決勝ゴール。1-0で勝利し、有終の美を飾った。

 誰もが願望を込めた期待を持ちつつ、そんなにうまくいくものだろうかと思うような展開だった。0-0で迎えた後半33分、MF川澄奈穂美が蹴った右コーナーキックはゴール前へ。誰よりも高く跳び上がった澤は、お手本のようにジャンプの頂点でヘディング。次の瞬間、ボールはゴールに収まっていた。

 日本女子サッカーに鮮明な記憶として刻まれている2011年女子ワールドカップ・ドイツ大会決勝のアメリカ戦。延長後半12分に挙げたゴールもコーナーキックだった。その時は、猛然とニアサイドに走り込んでゴールを決めた。その印象が強すぎるのか、ニアサイドは澤が走り込む場所という印象が強くなった。この日も、前半のコーナーキックではニアサイドに走り込んでいた。

 しかし、この場面では数々の修羅場を乗り越えてきた“勝負師”の勘が冴えた。

「前半から何回かあった中で、背の高い選手がニアを固めて警戒していると感じた。その分、ファーサイドがあいていた。チームメートにも、ファーに行かせてくれと言って、それが当たって良かった」

 果たして、川澄が蹴ったボールはニアサイドを固めた相手選手たちの頭を越えて澤のところへ届いた。劣勢の時間帯が続き、流れの中でゴール前に入り込む形はほとんど作れていなかった。それでも、この千載一遇のチャンスで千両役者の元にボールが届く。日本女子サッカー界のレジェンドが築き上げてきた物語の結末にふさわしい決勝ゴールだった。

 なぜ、このように勝負強さを発揮できるのか。澤自身は「どうしてかは分からないけど、私がサッカーをとおして色々なことを学んだ。最後まで諦めないこととハードワーク、ここぞという時に強い気持ちで行動に移すことでそうなっているのかもしれない」と、気持ちが引き寄せるものだと語った。目に見えない力が働いているかのような言葉だが、それを実現し続けてきた澤の言葉だからこそ、説得力がある。

 

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