「自分が一番シュート上手い」 3戦連発中の宇佐美貴史、輝きを取り戻した理由を自ら“解説”

“復活”を遂げた理由…「これを武器にするほかない」

 そう話す大分戦のシュートは、左サイドからニアに打ち込んだ火を噴くような一発。湘南戦と合わせた3ゴールは、いずれも「This is 宇佐美貴史」というべき一撃だっただろう。ただ意外なことに、宇佐美自身はこれまで自分の「シュートが上手い」ことを強みだと感じていなかったという。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

「(自分の)シュートが強く武器であるとは思っていなくて。振りが速いとかシュートが上手いとか言われてきたけど、聞き流していたところもあったし、自分としては10番的な(トップ下のような)スタイル、多彩さというのも求めていたから。でも、(G大阪に)帰って来てシュート練習しても、自分のシュートの弾道とかキレはやっぱり……手前味噌やけど、自分が一番シュート上手いと思ったし、これを武器にするほかないと」

 針に糸を通すような正確なパスでゴールを演出したり、吸い付くようなトラップで局面を打開したり、あるいは、突飛なアイデアで攻撃の形を作ったり……。このようなプレーが自身に要求されていると感じていた。

 二度目となったドイツ挑戦ではアウクスブルク(16~17年)とデュッセルドルフ(17~19年)に所属。ブンデスリーガで中位以下のクラブでは「90分間、無駄走りも含めてどれだけタフに走れるかというところしか求められていなかった」という。

 だが、G大阪に復帰後は違った。宮本恒靖監督からも“救世主”として、とにかくゴールを求められた。

「ツネさんからは『(足が)振れる位置でボールを受けることを意識して欲しい』と言われて。自分で(シュートが上手いと)認めた部分もあったし、周りから言われたことも、もう一回体にすんなり入れた。シュートは意識していないといざという時に強気な決断ができひんかったりもするし、そういうことを念頭に置いてプレーしていると、いろいろ変わってくる場面もある。そのあたりは改めて人にないものを打てる、人に打てないシュートを打てる強みがあることをしっかり自覚した。いい方向に変わり出している感じかなと思いますね」

 ようやく自身で認めた「シュートが上手い」ということ――。その自信、自覚こそが宇佐美貴史“復活”の原動力となっている理由だ。

 23日の第32節ベガルタ仙台戦(2-0)でも、パスカットした宇佐美が右サイドで独走し、最後はGKとの1対1を決めた。このシュートも小さな振りで力強い弾道で射抜いた一発。シュートという武器を纏い、日々磨き上げる宇佐美は相手にとって今まで以上に脅威の存在となっているはずだ。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング