モウリーニョ、新たな肩書は「ヘッドコーチ」 その理由と“前任”の不満を英メディア解説
レヴィ会長が移籍や人事の権限を保有 ポチェッティーノ前監督は夏に不満をほのめかす
トットナムは現地時間19日、マウリシオ・ポチェッティーノ監督を解任し、11時間後にはジョゼ・モウリーニョ監督が新たにチームの指揮を執ることを発表した。発表されたモウリーニョ監督の肩書は「マネジャー」ではなく「ヘッドコーチ」。なぜ、そのような肩書になっているかを、英メディア「フットボール・ロンドン」が解説している。
5年半にわたってトットナムの指揮を執ったポチェッティーノ監督に代わり、北ロンドンのクラブに加わったモウリーニョ監督の肩書は「ヘッドコーチ」となっている。これはポチェッティーノ監督がトットナムに来た2015年から、16年に契約を更新するまで付けられていた肩書でもあった。
当時、ポチェッティーノ監督は「それが良いだろうと合意に達した。僕自身にとっても、クラブにとってもね」と話し、「この『マネジャー』という言葉と『ヘッドコーチ』という言葉に違いがあるのは確かだ。もしかしたら、私は初日から『マネジャー』だったのかもしれないし、それが私の仕事を的確に示しているかもしれない」と、説明していた。
今回、モウリーニョ監督はトットナムの「ヘッドコーチ」に就任することになった。「フットボール・ロンドン」によると、「マネジャー」がすべての権限を握っているのに対し、「ヘッドコーチ」は現場の指揮に専念し、雇用や移籍についての権限はクラブ内の別の人物が持っている。そのことについてポチェッティーノ監督は終盤に不満を持っていた様子で、夏の移籍市場では次のように語っていたという。
「何が起こるか、何が起きないか、選手の売買、契約の延長をする、しない、そうしたことは私の手のなかにない。クラブとダニエル・レヴィ会長が握っている。私は現時点で可能な限りの形でマネージしている。もしかしたら、クラブは私の肩書を変えたほうがいいかもしれないね。私の仕事はクラブのコーチをすることだから。もちろん、私がボスであり、戦略を考え、練習、メンタル、哲学を私のエリアで判断している。でも、それとは別のエリアで動くことがある。私はコーチなんだ」
プレミアリーグには、他にもアーセナルのウナイ・エメリ監督、チェルシーのフランク・ランパード監督のように『ヘッドコーチ』の肩書を持つ者がいる。つまり、モウリーニョ『ヘッドコーチ』が、移籍や人材を獲得しようとする際、最終的な決定権とサインをするのは、ダニエル・レヴィ会長ということになる。この違いは、トットナムとモウリーニョ監督の今後にどう影響するのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)