大混戦ブンデスリーガで“内弁慶”のフランクフルト 鎌田大地が語る上位進出のカギは?

鎌田はチーム上昇の鍵になれるか【写真:Getty Images】
鎌田はチーム上昇の鍵になれるか【写真:Getty Images】

敵地でフライブルクに0-1敗戦、試合の流れを変えた退場劇

 フライブルク戦で久しぶりに2トップシステムのトップ下としてスタメン出場した日本代表MF鎌田大地は、序盤こそあまりボールに絡むことがなかったが、試合の流れとともに徐々にパスを受け、チームの攻撃にリズムを生み出していた。

 プレーの優先順位として、まずFW近くのスペースでパスを受けられる可能性を探す。とはいえ相手の守備組織もしっかりとしているし、なかなか簡単に良い形で受けることができない。そこで一つポジションを落としてダブルボランチの近くでパスを受けて、相手を引き出すというアクションを加えていく。パスをまた戻したとしても、そこで少しずつ相手の守備をずらしていくことができる。

「今日は感覚的に前半とかも悪くなかったし、だんだん前半の終わりになるにつれてボールも触れるようになってきたっていう試合内容だったので、後半になったらチャンスが来ると思っていた」

 鎌田はそのように本人のプレーを振り返っていた。ブンデスリーガの上位対決となったこの試合。相手のフライブルクは、圧倒的な攻撃力があるわけでもない。フランクフルトとしては我慢強く試合を運びながら、FWの得点力を引き出す形を探していけば、得点チャンスを作り出すことができそうな雰囲気はあった。

 流れが変わったのは、前半終了間際にMFジェルソン・フェルナンデスが2枚目のイエローカードを受けて退場になってしまったことだ。ゲームプランもこれで変わってきてしまう。

「11対11の時はチームとしても良い手応えというか、僕自身も普通にやれば勝てるだろうと思っていたところで……。まあ45分間10人というのは難しい。どこでも10対11は難しいと思う」

 それでも後半、フランクフルトは数的不利を感じさせない試合展開を見せる。無理に前からプレスに行けない分、自陣でコンパクトに守りながら、タイミング良くボールを奪取してカウンターから攻撃を狙う。鎌田はカウンターの起点として攻撃を発動させていくが、後半22分にMFミヤト・ガチノビッチと交代した。

 チームは同32分、左サイドからのクロスをクリアできずにフライブルクFWニルス・ペーターゼンにゴールを許してしまったが、その後も全体的に悪くないパフォーマンスで試合を進めていく。あと一歩で得点という場面も作り出せていた。それだけに勝ち点を持って帰れないという結果は、チームにとって残念なものだったことだろう。


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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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