キャリア最大の危機を脱した主将フンメルス 首位追撃へ、香川が密かに成し遂げた大仕事

フランクフルト戦の得点がもたらすもの

 そうした中で迎えたフランクフルト戦の後半16分に、自信回復のきっかけを手にした。糸口を作ったのは日本代表MF香川真司だった。ショートコーナーの流れで左サイドの深い位置からMFムヒタリアンに折り返しのパスを入れる。ムヒタリアンが放ったシュートは相手DFに当たって跳ね返るが、これをフンメルスが左足を振り抜きゴールネットを揺らした。

「正直あの場面ではミキ(ムヒタリアンの愛称)に譲るべきだった。彼の方がシュートがうまいからね。いずれにしても、僕がシュートを打つことになった。少し相手に当たってコースを変えながらゴール左隅に決まった。少し幸運だったことを認めるけれど、重要なゴールだったよね」

 ムヒタリアンも再びシュート体勢に入っていたが、主将は決定機を譲り受ける格好となった。そして、自信回復につながる一撃が決まった。キャリア最大の危機を乗り切るゴールの起点となった香川は、首位バイエルン・ミュンヘンを勝ち点5差で追走するドルトムントにとっての大仕事を、密かに成し遂げたと言えそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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