AZ菅原由勢は「情熱をもたらす」と指揮官称賛 右ウイング起用にはオランダ誌も注目
フェイエノールト戦では右ウイングとしてフル出場し、チーム2点目をアシスト
オランダ1部AZアルクマールは現地時間26日、敵地での第4節フェイエノールト戦に臨み、3-0の完勝を収めた。U-22日本代表DF菅原由勢は右ウイングとして先発フル出場。チームの2点目をアシストする活躍で勝利に貢献し、指揮官から「価値のある選手になることは分かっていた」と称賛されている。
名古屋グランパス出身の菅原は、17歳だった2018年2月にトップチームに2種登録。翌日のJ1開幕節ガンバ大阪戦でスタメン出場し、4月にはクラブ史上最年少でプロ契約を結んだ。今年6月にはAZへの期限付き移籍が決定。8月4日のリーグ開幕節フォルトゥナ・シッタート戦(4-0)では右サイドバックで先発起用され、後半38分に右サイドからの折り返しに走り込んでダメ押しの4点目を奪った。
その後のリーグ戦ではベンチスタートが続いていたが、フェイエノールト戦では約1カ月半ぶりに先発出場。開幕戦と同じサイドバックではなく、3トップの右サイドという攻撃的なポジションで起用された。
AZは前半39分に先制点を挙げると、1点リードのまま後半に突入。そして後半5分、普段は右ウイングを務めるU-21オランダ代表FWケルヴィン・ステングスからパスを受けた菅原は、中央のスペースでポジションを取り直したステングスにリターンパスを送る。トラップで前を向いたステングスは左足を振り抜き、強烈なミドルシュートをゴールネットに突き刺して追加点。終盤にも加点したAZが3-0の勝利を収めている。
オランダのサッカー専門誌「Voetbal International」は、レギュラーのステングスが攻撃的MFにポジションを移し、右ウイングに菅原を据えたアルネ・スロット監督の采配に注目。菅原については「完璧な時間を過ごしたわけではないが、AZでの数週間でフレッシュな印象を与えている」として、指揮官による次のコメントを紹介している。
「最初のトレーニングで見た時から、彼が価値のある選手になることは分かっていた。ユキは英語が流暢なわけではないが、すべてを理解して物事を自分で解決する力を持っている。毎日を多くの喜びとともに過ごし、グループに情熱をもたらしてくれるんだ」
本来とは異なるポジションでも結果を残し、そのキャラクターに指揮官も信頼を寄せる菅原。7試合を終えて首位アヤックスと勝ち点1差の3位と好調を維持するAZにおいて、これからさらに重要な役割を担っていく可能性もあるだろう。