最終手段に出たレアル 国王杯失格処分の撤回を求めスポーツ仲裁裁判所に提訴

スペイン連盟への異議は却下も強硬な姿勢を崩さず

 レアル・マドリードは2日、3−1と勝利したスペイン国王杯ラウンド32第1戦のカディス戦で、出場停止処分だったロシア代表MFデニス・チェリシェフを先発出場させ、スペインサッカー連盟から失格処分を言い渡された。その後、同連盟に異議を申し立てたが、あえなく却下された”白い巨人”は、スイス・ローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したことが明らかになった。英国営放送「BBC」などが報じている。

 国王杯優勝19回を誇る名門は、ついに最終手段に打って出た。チェリフェフは昨季レンタル先のビジャレアルでの国王杯最終戦で、3枚目のイエローカードを受けていた。これでカディス戦は出場停止のはずだったが、レアルはこの事実を認識せずに起用。チェリシェフは前半3分にゴールを決める活躍を見せたが、ハーフタイムに違反の事実を知って大喜びのカディスサポーターが「愛してる、チェリシェフ」の大合唱を繰り返したことで、レアル側も異変を察知。「善意を示すために」(ラファエル・ベニテス監督)と、後半開始時にいきなりチェリシェフを交代させるドタバタ劇となった。

 昨季オサスナが同じ理由で失格処分となっているが、レアル側はチェリシェフの出場資格なしという事実を、事前通告されていなかったと強硬に主張している。

 スペインサッカー連盟には跳ね除けられたが、スポーツ界の最終調停機関に”白い巨人”は救いを求めた。レアル側は「最終決断はクラブ寄りの解決になるだろう」と自信を浮かべている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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