レアル移籍の久保建英、退団セレモニーで“決意表明” 「東京での時間を一生、忘れません」

レアル・マドリードへの移籍が決定したMF久保建英が、退団セレモニーを行った【写真:高橋学】
レアル・マドリードへの移籍が決定したMF久保建英が、退団セレモニーを行った【写真:高橋学】

「つらい時期もありましたけど…」と明かし、周囲への感謝の言葉を重ねる

 FC東京からレアル・マドリードへの移籍が決定した日本代表MF久保建英が、29日のJ1第17節横浜F・マリノス戦(4-2)後に退団セレモニーを行った。

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 久保は今季開幕からレギュラーをつかむと、13試合出場4得点とチームをけん引。首位を走るチームの中心選手として輝きを放ってきた。9日に行われた国際親善試合エルサルバドル戦でA代表デビューを飾ると、14日にはレアルへの移籍が発表され、コパ・アメリカ(南米選手権)でも南米の強豪を相手に活躍を見せた。

 チームがJ1リーグ前半戦の首位を確定させる勝利を挙げた試合後、久保がピッチ上に現れてセレモニーが開始。FC東京の下部組織に加入し、日本代表として活躍するまでの足跡を振り返る動画が流れた後、久保がマイクを手に取った。

 すると「まずは横浜F・マリノスのファン・サポーターの皆さま」と切り出し、昨季の半年間、期限付き移籍で在籍した横浜FMのサポーターのほうを向くと「自分のJ1初ゴールが(動画で)流されなくてブーイングが出ていたと思うんですけど、あとで自分が言っておきます」と笑いを誘ってから、感謝を述べた。

「半年間という短い間ではありましたが、自分が今こうやってここに立てているのは、マリノスへのレンタルが非常に大きかったと思っています。感謝しかありません」

 そして改めてFC東京サポーターのほうへ向き直り、約4年間を過ごしたFC東京に対する思いを吐露した。

「改めまして、元FC東京の久保建英です。自分が日本に帰ってきてから今までほぼずっと東京でやってきて、最初はあまり練習にも行きたくなくて、つらい時期もありましたけど、(U-15)むさしに入って、むさしのみんなが良くしてくれて、飛び級で上がったユース(U-18)でもみんな仲良くしてくれて、トップチームに上がってからはトップチームの選手に助けてもらって、今の自分があると思っています」

「いいことばかりではなかったですけど、自分の力、みんなの力を借りて、一人前のサッカー選手として、東京の選手として世界に羽ばたいていけることを、非常に誇らしく思います。これからはFC東京の久保建英ではなくなりますが、FC東京に在籍した選手として、東京としての誇りを持って、つらいこともあるかと思いますが、今の動画を見返して元気を出します」

 最後のメッセージは、クラブに対する愛着と感謝。噛みしめるように言葉を紡いだ。

「東京に来てから4年くらいですが、行きたくなくなるくらい濃い時間だったと思います。苦渋の決断ではありましたが、自分の決断に誇りを持っています。東京での時間を一生、忘れません。本当にありがとうございました」

 今後は世界屈指の名門クラブであるレアルで、新たな戦いに身を投じることになる久保。味の素スタジアムに駆けつけた3万3705人の前での“決意表明”は、多くのサポーターの胸を打ったはずだ。

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