東京五輪代表への“融合”に期待! 大会取材記者が選ぶ「U-20W杯で輝いた俊英5人」

(左から)FW田川亨介、MF齊藤未月、DF菅原由勢【写真:Getty Images】
(左から)FW田川亨介、MF齊藤未月、DF菅原由勢【写真:Getty Images】

韓国に0-1で敗れ16年ぶりの8強ならず 齊藤未は「今大会で最も頼りになった選手」

 影山雅永監督率いるU-20日本代表は現地時間4日、U-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦で韓国に0-1と敗れ、世界大会の挑戦はベスト16で幕を閉じた。16年ぶりの8強進出にあと一歩届かない悔しい結果となったが、大会を通じて選手一人ひとりが成長を果たし、上の世代との融合に向けてアピールした。今大会のパフォーマンスを踏まえて、来年7月に迫る東京五輪に向けたメンバーに食い込んでいくことを期待させるパフォーマンスを見せた5人を紹介したい。

 ◇   ◇   ◇

■菅原由勢(DF/名古屋グランパス)
[4試合/360分出場・0得点]
アピール度=◎

 U-20日本代表の右サイドバックは、4試合すべてにフル出場した。機を見た攻撃参加で右サイドの攻撃を活性化させれば、的確な読みと素早いカバーリングで相手のボールを奪取。また対人守備でも強さを見せ、ビルドアップを含めてほぼパーフェクトなプレーを披露していたと言っていいだろう。

 東京五輪代表に入ることを考えれば、絶対的な存在がまだ確立していない右ウイングバックや3バックの一角としてもプレーできるフレキシブルさはプラス。韓国戦では相手に失点を許すきっかけとなるミスを犯してしまったが、これを乗り越えることでもう一皮むけることができれば、来年の東京五輪代表に入っていく可能性は十分あると言えるだろう。

■齊藤未月(MF/湘南ベルマーレ)
[4試合/360分出場・0得点]
アピール度=◎

 今大会で最も頼りになった選手と言えば、齊藤以外に考えられないだろう。その圧倒的なリーダーシップと誰よりもハードワークをこなすプレーは、まさに“闘将”。今大会では各チームのエースからボールを奪い取り、体格で勝る相手に対しても巧みに体を使い球際で負けないパワーを見せつけた。

 もちろん本人も自覚しているとおり、ボールを奪った後の質に関してはまだまだ課題があるのは否めないが、それを補うだけの運動量やアグレッシブさがあることは間違いない。3月に行われたU-23アジア選手権予選で、すでに東京五輪代表の一員としてプレーしているが、今大会を経て成長した姿を一つ上の舞台でも見せたいところだ。

林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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