3バックシステムで最も恩恵を受けた日本代表選手は? 英記者が解説「渋滞が解消した」

日本の課題は「圧倒的な優位性をものにする存在が皆無」

 一方の堂安は、それほど危険な存在になっていなかったが、チャレンジし続けることに熱意を持っていた。彼の献身性とトリニダード・トバゴの最終ラインと中盤に対するハイプレスは一息付かせる余裕を一切与えていなかった。彼らが休めていたのは、堂安がポゼッションに加勢している時くらいだった。

 柴崎岳と守田英正は、最終ラインの前方のポジションで上手く連動していた。特に柴崎はチームに10番の要素が欠如している場面で、深い位置でプレーメーカーの役割を担い、その穴を埋めるための能力を垣間見せていた。また、プレッシングや攻撃参加、ボール保持を妨げるタックルなど、このペアの働きぶりは、トリニダード・トバゴを幾度となく混乱に陥れるに十分なものだった。

 日本にとって残念だったのは、90分を通して一貫した圧倒的な優位性をものにする存在が皆無だったことだ。大迫は鎮圧され、加勢もなく、日本は人員不足であったかのように映った。長友と酒井はほとんどアタッキングサードに侵入する機会がなく、指揮官はブラジルでの大会をポジティブな雰囲気で迎えるべく、9日に宮城で行われるエルサルバドル戦では必死に修正を施してくるだろう。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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