驚異のプレミア史上最速「7秒69」弾 殊勲FWが自画自賛「100回のうち99回は…」

サウサンプトンFWロング(中央)【写真:Getty Images】
サウサンプトンFWロング(中央)【写真:Getty Images】

サウサンプトンFWロング、キックオフと同時に相手DFにプレスをかけてボール奪取

 キックオフから「7秒69」で生まれたプレミアリーグ史上最速のゴールが話題となっている。現地時間23日に行われたプレミアリーグ第31節、ワトフォード対サウサンプトンの一戦で、サウサンプトンのFWシェーン・ロングがキックオフ直後にゴールを奪い、これが今までのプレミア記録を2秒以上も上回ることになった。英公共放送「BBC」によると、ロングとしては戦略にハマった“してやったり”のものだったようだ。

 現在16位で、残留のためには勝ち点を確保しておきたいサウサンプトン。日本代表DF吉田麻也らがスターティングメンバーに名を連ねるなか、主審がキックオフの笛を吹くと、ワトフォードがDFクレイグ・キャスカートのもとへボールを下げた。ここでロングは一目散にダッシュし、キャスカートが前線に蹴ろうとしたロングボールをブロックすると、ボールは自らの足もとへ。これを拾ったロングは相手GKの飛び出しを冷静に見極めてループシュート。この間のプレーは8秒も経たないものだった。

 この一撃は英メディアでも大きく報じられ、「BBC」調べによるこれまでのプレミアリーグ最速記録は、2000年に当時トットナムのDFレドリー・キングがブラッドフォード戦で決めた「9.82」だったが、今回のゴールは2秒上回り、陸上の男子100メートル走の世界記録すら上回る“超速記録”。なおブロックを食らったキャスカートはハーフタイムで失意の交代となった。ロングは試合後のインタビューで、このように語ったという。

「監督からは『素早くスタートを切って、彼らに対してプレッシャーをかけてこい』と言われていたんだ。100回のうち99回はそのクリアをブロックできないだろう。だけど僕はそれをやり切った。(相手の)ベン・フォスターはいいGKだ。彼は身体を上手く広げていたから、ループシュートがいいフィニッシュだなと直感したんだ。僕らは相手に対してロングパスを強いるようにトライしているし、最初のボールに対しての強度を見せられた。そしてブロックできて上手く落ちた」

 これだけ狙いがハマったのだから、饒舌になるのも当然だろう。

 ただし試合は、終了間際の後半45分にワトフォードFWアンドレ・グレイに同点弾を叩き込まれて1-1のドローに終わった。「勝ち点3を取れなかったのは失望だ。十分やったと思うけど……」ともロングは語っている。“7秒ゴール”で勝利できなかったのは痛いが、サウサンプトンは勝ち点1を上積みして降格圏の18位カーディフとの差を「6」に広げた。残り3試合も、この日のような“してやったり”のキックオフで流れをつかみ、勝ち点をつかみたいところだ。

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