“王者”川崎、低調な開幕5戦も「進化の過程」 中村憲剛が若手ボランチに求めるものは?

川崎フロンターレMF中村憲剛【写真:荒川祐史】
川崎フロンターレMF中村憲剛【写真:荒川祐史】

C大阪に1-1、ホームでまたも勝利逃す

 J1リーグ連覇を達成した川崎フロンターレが、今季は苦しんでいる。3月31日に行われた第5節の松本山雅FC戦(2-0)でようやく今季リーグ戦初勝利を挙げたが、4月5日に行われた第6節セレッソ大阪戦は1-1の引き分けに終わり、またもリーグ戦のホームで勝つことができなかった。

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 C大阪のロティーナ監督が、「前半は我々が思っていたプレーができた。良い守備もできたし、攻撃も活性化していた。後半の早い時間帯に追いつかれて、そこからフロンターレの攻撃を止めるのは難しくなった。ボールに近いところに人数が集まって、そこからワンツーだったりをしてくる。そういう相手にリトリートする時間が長くなりました」と試合を振り返った。その言葉どおり、前半はどちらかというとC大阪が優位に試合を運び、後半は完全に川崎がゲームを掌握した。

 川崎の鬼木達監督は前半の戦い方について、「いろいろなスピードを上げ過ぎてしまっていた」と振り返っている。続けて、「自分たちの体が動かしやすいようなタイミングでやるべき」と説明したように、前半の川崎はちょっとしたズレから生じるパスミスやコントロールミスが目立っていた。

 また、MF中村憲剛は「相手を見てやれていないと感じていた」と前半を振り返り、縦パスやサイドチェンジのタイミングについて言及した。しかし、その問題に関しても「進化の過程」と言い切った中村は、「要求し合いながら、話しながらやっていければ、どんどん良くなってくる」と、コミュニケーションを重ねることで歯車が噛み合ってくると断言する。

 その歯車が噛み合ったプレーの片鱗が見られたのが、後半11分と同37分だった。いずれもセンターバックを務めるDF奈良竜樹からFWに入ったグラウンダーの縦パスで、それを受けたFW知念慶、FW小林悠ともにフィニッシュまで結びつけている。どちらも左サイドで数本のショートパスをつないで相手を集め、最終ラインを経由して逆サイドへ展開すると見せかけての縦パス。相手が人数の少ない逆サイドに対応するため、マークをスライドさせている時に生じるわずかなズレを突いている。縦パスを入れる隙をチームで作り出し、ラストパスで出し手と受け手のタイミングが合致した瞬間だった。

 また、昨季まで攻撃のスイッチとなる縦パスのほとんどがボランチから出されていたが、そうした縦パスがCBの位置から出るようになったのは、川崎のサッカーが新たな領域へ進化している証と言えるプレーだった。

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