韓国メディアが日韓の“欧州組”を比較 韓国人選手を取り巻く「難しい環境」とは?

移籍金の設定が高いKリーグ、クラブ中心に話が進む

 さらに同サイトは、アジア大会金メダルやオリンピックのメダル獲得などで兵役免除になった選手でも、欧州行きを選択できない理由についても述べている。

「兵役免除を勝ち取った選手がいるなか、欧州行きとなるケースは多くなかった。KリーグとJリーグクラブの運営論理が違うから」と同サイトは説明する。

 これはどういう意味なのだろうか。

「最も大きな違いは移籍金の設定。KリーグはJリーグに比べて移籍金が高い。最近、話題になった韓国代表MFファン・インボムの移籍(大田シチズン→バンクーバー・ホワイトキャップス)も、ブンデスリーガのクラブは1億円を超える移籍金に上げられない立場を表明していたが、MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスは移籍金を2億円提示してきた」

 そのうえで前出の代理人は、同サイトでこうコメントしている。

「選手が移籍する時に主導権を握る構造が違う。つまり日本は選手を中心に回るが、韓国はクラブ中心というわけだ。Jリーグの選手は年俸でも譲歩する傾向があり、1億円もらえる選手が1000~2000万円でも欧州に行くと言う。すべては韓国とは違う」

 同サイトは、Jリーグは規模や産業面でもKリーグをリードしていると認めたうえで、「欧州進出が答えのすべてではないが、個人的な選択が環境に影響を受ける」と伝えている。

 欧州でプレーする選手の数が日本と韓国で、これだけ違いが出るのは、環境による部分が大きいのは確かだろう。軍隊の問題は政治的な部分が解決しない限り、韓国の選手にはこれからもつきまとう問題だ。政治に翻弄されてサッカーをせざるを得ない選手が気の毒ではあるが、完全な解決は難しいだろう。

 現実的にはKリーグを魅力あるものにするための各クラブの努力によって、隣国のJリーグのような盛り上がりに一歩ずつ近づけていくしかない。

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(金 明昱 / Myung-wook Kim)

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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