カタール戦の勝敗を分けた“前半30分間の駆け引き” 英国人記者が森保監督の采配に疑問

チャーチ氏は、前半30分間の2失点で「挽回不能な致命傷を負ってしまった」と言及【写真:田口有史】
チャーチ氏は、前半30分間の2失点で「挽回不能な致命傷を負ってしまった」と言及【写真:田口有史】

前半30分間の2失点は「挽回不能な致命傷」 両監督の戦術と采配の違いを指摘

 守備陣も不振だった。特に先制点の場面が痛恨だった。FWアルモエズ・アリがボールを受けた際、DF吉田麻也はマークが甘かった。大会史上最も成功したストライカーに衝撃的なオーバーヘッドキックを許す原因となった。ユースレベルから磨いてきたカタール攻撃陣のスピードと連携も、日本守備陣にとっては手に余るものだった。ハティムの見事なミドルシュートにも、もはや驚きはなかった。

 前半残り15分から、日本は反撃に出た。後半30分までに9回のコーナーキックを手にしたが、カタールGKサード・アルシーブは一度もセーブする機会はなかった。

 後半24分、南野の美しいゴールで日本は反撃の狼煙を上げたが、それもすぐに潰えた。吉田のペナルティーエリア内でのハンドが無情にもPKと宣告された。これで試合は終わった。ラブシャン・イラマトフ主審の判定に同意しない人間がいたとしても、アジアのどの人間もこの試合結果に納得しない者はいなかったのではないか。

 日本はダイナミックな中盤を中心とした攻撃で、準優勝にふさわしい力を見せつけた。守備の組織力も素晴らしかった。だが、頂上決戦で明暗を分けたのは両監督の戦術と采配だった。あの30分間が日本にとっては返す返すも惜しまれる。挽回不能な致命傷を負ってしまった。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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