チェルシー新加入のイグアイン 数々の“期待ハズレ”生んだ「9番の呪い」を破れるか
ハッセルバインク以降、着用した選手が活躍できていない“チェルシーの9番”
背番号「9」――。サッカーで、この番号はストライカーを意味することが多く、ボールを蹴る子供たちが憧れやすい番号の一つだ。23日にユベントスからチェルシーへ期限付き移籍することが決まったアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインも、この9番を背負うことになった。レアル・マドリード、ナポリ、ユベントス、ACミランと、過去に所属するクラブ、さらにはアルゼンチン代表でも9番を背負ってきたイグアインにとっては、自然な選択だろう。だが、チェルシーの9番には、活躍ができないジンクスがある。
同じようなジンクスは、ミランにもあった。イグアインの前所属クラブでは、元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギが退団した2011-12シーズン以降、9番を背負った選手は、期待に見合う活躍ができていなかった。もっとも近年、資金難に陥ったミランではキャリアのピークを過ぎた選手が付けるケースもあった。だが、チェルシーでは絶頂期にあるはずの選手が9番を付けて活躍ができないことが続いており、現地では「ジンクス」どころか「呪い」と称されるレベルになっている。
チェルシーのファンが、「活躍した9番」として思い出せるのは、00年から04年まで所属していた元オランダ代表FWジミー・フロイド・ハッセルバインクだろう。リーグ制覇こそ達成できなかったが、00-01シーズンには23得点を挙げてリーグ得点王に輝くなど、4シーズンでリーグ戦136試合に出場して69得点を記録した。
しかし、続いて背番号9を付けることになった元セルビア代表FWマテヤ・ケジュマンは、PSV時代に122試合出場105得点と驚異的な得点力を誇っていたが、チェルシーでは25試合に出場して4得点にとどまった。続いて“9番”を背負ったのは、元アルゼンチン代表FWエルナン・クレスポだったが、彼もその能力を発揮できないまま、ロンドンを去った。この当時は、15番と11番を背負った元コートジボワール代表FWディディエ・ドログバが絶対的なエースとして君臨している。
その後、オランダ代表DFハリト・ブラルーズ、イングランド代表MFスティーブ・シドウェルの時代を経て(この2人も出場機会は限定された)、再び“9番”を付けたストライカーは、アルゼンチン代表FWフランコ・ディ・サント。後にシャルケで活躍するものの、チェルシーでは十分な出場機会が与えられないまま、ブラックバーンへ放出されている。