賭けに負けたザッケローニ監督 日本が奇跡を起こすには戦い方をシフトするしかない

グラスに水が半分も入っていたのか、半分しか入っていなかったのか

 さらにザッケローニ監督は独特の言い回しで、怪我から復帰した選手の状態をポジティブにとらえていると話した。

「イタリアではグラスに半分の水が入っている場合、それを半分も入っていると捉えるのか、半分しか入っていないと捉えるのか、そういう言い方をする。3選手に関して言えば半分も入っていると解釈している」

 メンバー発表からの1カ月間、ザッケローニ監督はチーム力の積み上げよりも、コンディショニングを最優先した。3選手はもちろん(長谷部は怪我をしたので休んだが)、所属クラブで試合から遠ざかっていた本田圭佑や香川真司をできるだけ長い時間起用し、試合感覚やスタミナ、キレを取り戻させようとした。全てはW杯にピークを持ってくるために――。

 賭けは外れた。

 コートジボワール戦はそもそもボールを相手に取り上げられたので、自分たちのサッカーをする以前の問題だった。しかし、ボールを持たせてもらったギリシャ戦でも自分たちのサッカーはできなかった。

 ザックジャパンの生命線はボールを持っていないときに、同時多発的に、複数の選手が動き出せるかにかかっている。例えば、左サイドで香川がボールを受ける。長友佑都が外を回って上がっていく。本田が香川の近くに寄っていく。柿谷曜一朗が裏のスペースを狙う。岡崎が逆サイドからファーに入ってくる、といった具合に……。これをスピードに乗って、正確に行えれば、どんな相手でも止めることは難しい。

 このサッカーをする上で重要な要素は大きく2つある。

 一つ目があうんの呼吸だ。それぞれの選手の癖や、動き出しのタイミングを理解し合うことで、プレースピードが上がり、より良い形で仕掛けていける。ザッケローニ監督が4年間、ほぼメンバーを固定して戦ってきたのも、同じ選手を長い時間一緒にプレーさせて、コンビネーションの熟成を計ったからだ。

 二つ目が、コンディションだ。ザッケローニ監督が常々言っているように、日本にはクリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシのように1人の力で打開できる選手はいない。そのため、周りの選手が相手を引きつけ、できるだけ良い状況を作らなければならない。そのためには一人ひとりが相手を運動量で上回る必要がある。

 

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