3得点の勝利に不満げなハリル監督 大量ゴールならず「次はもう少し取ることを期待している」

もっと得点できたという思いはぬぐえず

 ロシアワールドカップアジア2次予選待望の初勝利のホイッスルを聞いた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は不満そうな表情を浮かべながら指を噛んだ。
 FIFAランク180位と格下カンボジア相手にシュート38本の雨を降らせながらもハリルジャパンは大量得点ならず。3-0の勝利という結果に終わった。
「勝利をしてくれて選手たちにおめでとうと言いたい。我々もうれしいですけれど、観客の皆様にこういう雰囲気を作っていただいてありがとうと言いたいです。選手のみなさんにもブラボーと言いたいですけれど、観客の皆さんにもブラボーと言いたい」
 勝利を強調した指揮官だが、笑顔はどこかこわばっていた。W杯2次予選初戦となったホームのシンガポール戦でスコアレスドローに終わってからは、逆風にさらされた。東アジアカップでは一勝も挙げられずに、男女通じて日本サッカー史上初の最下位に終わった。最弱とも揶揄される中で、批判をはねのけるために指揮官は有無を言わさぬ大量得点を求めていた。
「確かに3点取ったが、おそらくもっと取れたと思う。次はもう少し取ることを期待している」
 前半はシュート18本を放った。28分に本田圭佑(ACミラン)の放ったミドルシュートは相手GKの真正面を突いたが、なぜかGKが腰砕けとなり先制点となる幸運もあった。相手とのレベルには格段の違いがあったが、自陣に深く引く相手を崩すことは簡単ではなかった。
「アウェーで勝つことを続けたい。今年はアウェーの試合だけだけれど、これを続けていきたい」
 9月8日にイランで行われる2次予選アフガニスタン戦を皮切りに、今年この後の代表戦5試合はいずれもアウェーで行われる。敵地の洗礼で揉まれながら、ハリルジャパンが一歩一歩レベルアップを目指す。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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