浅野拓磨に覚醒の予感 自ら語ったハノーファー監督からの信頼「僕を狙えと…」

今季からハノーファーでプレーする浅野拓磨【写真:Getty Images】
今季からハノーファーでプレーする浅野拓磨【写真:Getty Images】

ビルバオとのテストマッチで1得点1アシストと好調を維持

 8月10日、ハノーファーはスペイン1部リーガ・エスパニョーラのアスレチック・ビルバオと対戦した。翌週にDFBポカール1回戦を控えるチームにとっては公式戦前最後となるテストマッチで、FW浅野拓磨は昨シーズンのチーム得点王であるドイツ人FWニクラス・フュルクルクと2トップを形成。そのフュルクルクのゴールをアシストし、自らもゴールを決めた。当初の予定通りに前半だけの出場だったが、スペースへの飛び出しでチャンスを数多く作り出し、貢献度の高いプレーを見せていた。

 試合開始から10分間は全くボールが前線に来なかったが、そうした展開に少しの変化が生まれたのが前半12分のシーンだった。センターバックのDFヴァルデマール・アントンがボールを持つと、前線から下りてきた浅野の足もとへパスを通す。その後、ターンをして持ち出そうとしたところを相手DFのチャージに遭いボールを失いはしたが、この試合で生まれた最初のFWへのコミュニケーションだった。

 その後、ハノーファーの攻撃には徐々にリズムが出てきて、相手選手の裏を狙って走り出す浅野にもパスがどんどん出てくるようになる。先制点もその流れで生まれた。ペナルティーエリア左に入ったところでパスを受けた浅野が、縦へのドリブルでゴールラインまで運ぶと、相手マークを外して左足で折り返す。ボールは味方を経由して最後はゴール前でフリーだったフュルクルクが右足で決めた。

 自身のゴールはカウンターから。左サイドでボールを受けたMFリントン・マイナがスペースに走りこむ浅野へスルーパスを送ると、相手守備に並走されながらも左足ダイレクトでゴール左へと流し込んだ。躊躇うことなくシュートまで持ち込む一連の動きは、調子の良さを窺わせるものだった。

 アシスト、得点とも素晴らしかったが、それ以上にチームが浅野の特長や長所を認め、それを生かすことがチームの武器になると受け止めていることに大きな意味がある。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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