「侍は誇らしい気持ちになれないだろう」 カルチョの国が見た西野監督の“綱渡り采配”

「FIFAの選択は、このW杯で転換期となった」

 フェアプレーポイントでセネガルよりも優位に立っていた日本は、ゲーム終盤にリスクを冒して攻めず、最終ライン付近でのパス回しに終始。セネガルが同点に追いついた瞬間に即3位転落となる状況下、コロンビアの守備に命運を託す他力本願な策に打って出た。

「W杯初のフェアプレー(ポイント)での通過を台無しにしないように。長谷部は壊し屋で司令塔ではない。日本でも、フランクフルトでも、守備のプロテクションをチームに命じる司令官。負けている試合で、ベンチで(グループリーグ)通過の可能性を計算し、ファアプレー(ポイント)の規則を説明した。チームメイトたちはみんなこの指示に従った」

 同紙が報じたように、守備面での活躍が期待される主将がベンチの意思を明確に伝えた。日本は消極的なサッカーとなり、すでに敗退が決定していたなかで勝利を手にしたいポーランドもそれに付き合う格好となったが、スタジアムはファンからのブーイングに包まれた。

「結果全てが同じ場合、イエローカード、レッドカードが少ないチームが通過する。これはコインの表裏よりも文明的に進化している。FIFAの選択は、このW杯で転換期となった」

 記事では、制度を「不十分」と指摘しつつ、日本の心境についても「こんな形で通過をした日本で、古い侍たちは誇らしい気持ちになれないだろう。それでも世界は前進する」と推察している。

 西野監督の一か八かの選択の結果、もぎ取ったW杯16強。その余波は広がり続けている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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