ドイツは「ゲーゲンプレッシング」を捨てる? 伏兵はカメルーン? ブラジルW杯展望

<ドイツ>

 過去の大会実績と予選での調子を考えると、優勝候補の一角に入ってくるのがドイツでしょう。しかし、ドイツ国内では意外なほど多くの悲観的な見方がされています。

 特に論点となっているのが、FW登録が1人というメンバー構成。

「クローゼがケガをしたらどうするんだ!」

「守備を固められたらヘディングに強い選手を入れるのがセオリーだ!」

と否定的な声ばかりが聞こえます。とはいえ、コーチングスタッフが無策でこうしたメンバー構成をしたわけではありません。

 ドイツ代表チーフ・スカウトで、代表監督ヨアヒム・レーブを戦術サポートしているウルス・ジーゲンターラーは「今日のCBはみな190センチから195センチの大型で、ほぼすべてのヘディングの競り合いに勝利する。真っ向から立ち向かうよりも、小さく、動きが素早いFWのほうが相手CBの仕事を難しくする」と分析。動き出しと状況判断が早い選手を組み合わせて、相手守備ブロックの綻びをつく戦法を基本路線としようとしています。

 またポゼッション率自体が重要ではなく、「持たされているだけでは意味がない。重要なのはボール・プログレッシオン(ボールの前進)、つまりボールキープからいかに素早く、目的を持ったパス交換でシュートまで持ち込むことができるかがカギだ」と説きます。

 さらに「ゲーゲンプレッシングは止めた方がいい。すでに、トップチームはハイプレッシャーの状況でも慌てずに対応することができるからだ。強豪国相手に闇雲にプレッシャーを掛け続けるべきではない。他の戦術的アイディアを思いつかないと」とも。その戦術的アイディアとは何か? これは今大会において、楽しみの一つになりそうですね。

 

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