W杯で“鬼門”南米勢を攻略できるか コロンビア戦で問われる「球際」と「応用力」

勝負のカギを握るのは球際の攻防と相手への対応力だ【写真:Getty Images】
勝負のカギを握るのは球際の攻防と相手への対応力だ【写真:Getty Images】

勝負のカギを握る球際の攻防と、相手の“変化”への対応力

 日本はなぜ、南米勢との相性が悪いのか。

 06年のブラジル戦と14年のコロンビア戦は、キックオフ前から追い詰められていた。グループリーグ突破のためには、大量得点での勝利が必要だったのである。

 結果に影響を及ぼすものとして考えられるのは、南米勢の「応用力」だろう。現代サッカーは高度な戦術のバトルだが、南米勢は形にこだわらないところがある。自分たちが得意とするスタイルを抑えられたらジ・エンド、にはならない。ピッチコンディションなども考慮して、試合中にプランBやプランCを出してくる。

 選手の特徴はスカウティングで把握できる。フィニッシュや突破のパターンはある程度想定できるのだが、チームがやり方をガラリと変えてくることで、南米勢は相手の目先を変えるのだ。

 サッカーの原理原則も突き詰められている。南米の選手たちは球際でとことん闘う。「戦う」のではなく「闘う」のだ。デュエルを強調されるまでもなく、球際の攻防にこだわる。

 一つひとつの攻防が、すぐに試合を動かすわけではない。だが、一人の選手が球際で負ければ、カバーに入らなければならない。運動量は増える。ポジションをスライドするタイミングが遅れたりすれば、決定的なシーンを作られてしまう。そこで失点を与えることはなくても、試合の流れを持っていかれる。

 相手が目先を変えてきても、臨機応変に対応できるか。西野監督が「様々な状況に対応しなければならない」と話しているように、コロンビア戦は日本の応用力が問われる一戦となる。球際の攻防に負けないのは、もちろん大前提である。

(戸塚 啓/Kei Totsuka)



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