INAC仲田歩夢、なでしこリーグ参戦7年目の“覚醒” 「これも運命だった」

チーム内での立ち位置が変わるなかで、心境の変化も大きく影響しているという【写真:井上智博】
チーム内での立ち位置が変わるなかで、心境の変化も大きく影響しているという【写真:井上智博】

同僚の伊藤と高瀬も成長ぶりに太鼓判

 常盤木学園高の後輩で、パスの出し手でもあるボランチのMF伊藤美紀も、仲田の進化を証言する。

「歩夢は相手と相手の“中間ポジション”にいてくれるようになりましたね。走ってほしい場所、タイミングで動いているので、すごくパスが出しやすい。高校の時は縦にスピードでゴリゴリ行ってクロス、シュートという感じでしたけど、間で受けてからのスルーパスみたいに得点につながるシーンも増えて、後ろから見ていて楽しいプレーをしているなと思います。歩夢自身も『やれることが増えてきた』と話しています」

 チーム内での立ち位置が変わるなかで、心境の変化も大きく影響しているという。これまではMF澤穂希(2015年引退)、FW川澄奈穂美(現シアトル・レイン)、FW大野忍(現ノジマステラ)といった百戦錬磨の先輩たちに「付いていく感覚」だったというが、2016年から2年連続で副キャプテンを務めてチームのことを考える時間が増え、勝利への欲も一層強まった。

「自分のキャラ的に引っ張ってもらうというか、リーダーシップを発揮するタイプではないんですけど、気持ちの面でも大きく変わった。他の選手とコミュニケーションを取る回数も増えましたね」

 仲田の入団以降、その姿をそばでずっと見守ってきた3歳年上のFW高瀬愛実も、後輩の成長に顔をほころばせる。

「少しずつベテラン勢が抜けていって、自分がやらなきゃという思いがプレーの思い切りの良さをはじめ、客観的に見て『調子がいいね』と言われる要因かなと思います。上の人にはイジられて、下の子のことはイジりながら、歩夢さん、歩夢さんと慕われている感じ。チーム内での立ち位置ができてきて、周りからの信頼も少しずつ得てきた。なかなか試合に関われない期間が長かったですけど、もともと持っているものはレベルが高いので、それをちゃんと試合で出してくれている感覚です」

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