快進撃の陰に“インテンシティー”と“判断力” J2山口で実る「霜田流フットボール改革」
霜田新監督の下で上位を快走中、ピッチ内外で進む改革でチームに大きな変化
昨シーズンを20位で終えたレノファ山口が、J2昇格を果たした16年以来2年ぶりにリーグ3位と上位を快走している。開幕から第10節FC町田ゼルビア戦(2-1)まで10試合でJ2トップの19ゴール。圧倒的な攻撃力が快進撃を支えている。
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今年から指揮する霜田正浩監督が山口に新風を吹き込んだ。チームとして初めてタイでの海外キャンプを張り、温暖かつメディアに追われにくい環境でチーム作りに着手。ピッチ環境の問題などから県内を転々としてきた練習場は山陽小野田市に固定し、新加入選手の大半を同市内に住まわせた。練習にユースの選手やコーチを積極的に参加させ、アカデミーの強化も進めている。
そうした改革に加え、ピッチ内にも大きな変化をもたらした。とりわけ選手に求めているのはインテンシティーと判断力だ。
「インテンシティー」は4年間にわたって日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ氏(現UAE代表監督)が発したことで話題となったが、代表に深く関わってきた霜田監督も不可欠の要素として全ポジションの選手に要求し、目に見える結果として現れている。例えば、相手の攻撃を遅らせるだけで良かった選手が球際で激しく寄せてボールを奪い返し、そのままショートカウンターに結びつける場面も見られる。
もっとも指揮官の目から見れば、チーム作りはまだ志半ば。リーグ最多の19得点の一方、リーグワースト15位の14失点という状況を鑑み、「失点減に特化すれば得点も下がる可能性がある。得点を増やし、そのなかでも失点を減らす」と、一層の強度アップを目指している。