堀江貴文氏が語るJリーグの未来とは?(前編)|「プレミアリーグよりもポテンシャルがある」

堀江氏が語るJリーグの問題点とは?

――堀江さんが、今のJリーグの問題点として考えていることは何でしょうか?

堀江 今までスタジアムでサッカーを見たことのない人が、立ち入りづらい何かがあるんですよね。いわば、サッカーファンではない人と、スタジアムとの間には、見えない”結界”のようなものがあるんだと思います。物理的な障害があるわけではありません。

 ですが、スタジアムへサッカー観戦に行くのは、サッカーファンではない人にとっては非常に高いハードルがあるように感じます。

中西 それは本当に大きな問題だと思います。Jリーグは今、年間で約870万人の入場者数を記録していますが、複数回訪れる方ののべ来場回数を除くと、80万人程度という推計が出ています。

 1億3000万人の人口がいることを考えれば、やはり少ない。逆の見方をすれば、それだけ可能性が残っているともいえる。これから裾野を広げる努力をすることで、成長の余地があると考えています。

堀江 Jリーグはコンテンツがすごく磨かれている。だけど世間からの注目度が高いとはいえないという状況です。そのギャップを埋めるためのてこ入れさえすれば、これから大きく成長していく可能性を秘めています。

中西 ”結界”を因数分解し、”結界”を構成しているものを見つける必要がありますね。それこそが、80万人にとどまらせている理由だといえますから。

 前編はここまで。後編では、堀江氏の考える”結界”の理由や、中西氏も驚いた堀江氏のアイデアなどにも話が及ぶ。

[PROFILE]

堀江貴文(ほりえ・たかふみ)

1972年10月29日、福岡県生まれ。実業家。ライブドア時代、プロ野球球団買収、ニッポン放送買収などで注目を浴び、2005年には衆議院選挙に出馬した。06 年、証券取引法違反で懲役2年6カ月の刑を受け、13年10月刑期が終了。「ホリエモンドットコム」(http://horiemon.com/)で、自身の活動を網羅的に集約して発信。宇宙ロケット開発事業も継続中。2015年からJ リーグアドバイザーに就任。月刊誌「サッカーマガジンZONE」で、隔月連載コラム「日本サッカー向上委員会」を執筆中。

中西大介(なかにし・だいすけ)

1965年生まれ。神戸商船大学卒業後、一般企業を経て97年、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に入局。Jリーグのスポンサー営業や中継の権利販売等を担当。2002年日韓ワールドカップでは札幌会場の運営責任者を務める。10年に事務局長兼事業戦略室長、翌11年に事務局長兼競技・事業統括本部長に就任。14年より常務理事を務める。その他各種委員にも名を連ねるなど、Jリーグの根幹と実務を支える一人として活躍中。月刊誌「サッカーマガジンZONE」で、連載コラム「Football Cinema File」を執筆中。

〈サッカーマガジンZONE 2015年10月号より一部加筆修正をして転載〉

【了】

野口学●文 text by Manabu Noguchi

浦正弘●写真 photo by Masahiro Ura

 

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