「それは最終手段」 主将の長谷部が覚悟、受難の日本代表で“最悪ケース”も念頭

長谷部は、「2010年もあまり良くなくて直前に変わっていったのはある」と明かしつつも、「それは最終手段」と認識している。【写真:Getty Images】
長谷部は、「2010年もあまり良くなくて直前に変わっていったのはある」と明かしつつも、「それは最終手段」と認識している。【写真:Getty Images】

最悪のケースに直面した場合はテコ入れの算段も…まずはベースを支えに最適解を探る

 日本代表は23日の国際親善試合マリ戦で1-1と引き分け、攻守両面で様々な問題が浮き彫りとなっている。バヒド・ハリルホジッチ監督は内部からの意見に対して苦言を呈するなどピッチ内外で代表チームが注目を集めるなか、キャプテンのMF長谷部誠(フランクフルト)は「それは最終手段」と最悪のケースも想定した発言をした。

 ロシア・ワールドカップ(W杯)まで残り3カ月を切っている。初戦は6月19日のコロンビア戦、その後セネガル(24日)、ポーランド(28日)と続く。仮想セネガルとして臨んだ23日のマリ戦で先制される苦しい展開となり、後半途中出場のFW中島翔哉(ポルティモネンセ)が後半アディショナルタイムに代表デビュー弾を決めて、辛うじて1-1のドローに持ち込んだ。

 マリ戦を受けて、DF長友佑都(ガラタサライ)は「2010年とすごい状況が似ているなと思う」と発言。岡田武史監督に率いられた2010年W杯出場の代表チームは、本大会前の国際親善試合で4連敗。セルビア(0-3)、韓国(0-2)、イングランド(1-2)、コートジボワール(0-2)に続けて敗れた。当初、前線からのプレッシングと素早い攻守の切り替えを標榜していたが、W杯前の連敗もあり守備ブロックを形成する戦い方へシフト。本大会では“堅守速攻”をベースとした戦い方が功を奏し、同大会ではベスト16進出を果たしている。

 現代表が2010年のチームと似た雰囲気を帯びつつあるなか、当事者として当時をよく知る長谷部も「2010年もあまり良くなくて直前に変わっていったのはある」と明かしつつも、あくまで「それは最終手段」と認識している。

「今、できることをやっていかないといけない。ウクライナ戦で自分たちが積み上げてきたもの、やらなければいけないことにフォーカスするべきだと思う」

 ハリルジャパンは27日のウクライナ戦後、5月30日にガーナ戦、6月8日にスイス戦、同12日にパラグアイ戦を予定。そして同19日にW杯初戦のコロンビア戦を迎える。大会まで残り3カ月を切っているなか、本番直前でのテコ入れは最悪のケースに直面した際の「最終手段」として念頭に入れている長谷部。だが、まずは現体制で積み重ねてきたベースを支えに、最適解を探っていく算段だ。

(FOOTBALL ZONE編集部・大木 勇 / Isamu Oki)



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