J1札幌がペトロヴィッチ新体制に託す理由 気鋭の社長が狙う「次のステップ」への挑戦

「より上を目指すにはミシャが適任」

「四方田前監督の戦績が素晴らしいという評価は絶対に揺らがない。ただし、札幌が次のステップに進んでいくなかで、チームはもちろんだけれど、その四方田前監督にもさらなる成長をしてもらうという意味でも、彼のチームを土台とし、そこにミシャ(ペトロヴィッチ氏の愛称)を加えるというのが正しい表現」

 野々村社長が狙う「次のステップ」とは、「毎年ギリギリの立ち位置で、J1でなんとか生き残っていこうというのならば、現状の戦い方でしぶとくやっていくのもいい。でも、目指しているのはそこではない。より上を目指すならば、自分たちでボールとゲームをコントロールするところも身に着けていかなければいけない。それをやるには、ミシャが適任だと確信している」

 また、こうも付け加える。

「四方田前監督の堅実かつ、相手の長所と短所を踏まえながら我慢強く戦う手法は、ある種、ミシャにはない部分。その意味でも、四方田前監督がミシャをサポートする体制というのは非常にいいコンビネーションになると考えている」

 そして、再び“一般的な視点”に立ち返ると、四方田前監督が好成績を残し、2017年シーズンも3連勝という最高の形で締め括った。敢えてここで監督交代というリスクを取らずとも、もう1シーズン、四方田体制を維持してから判断したほうが無難ではないか――という考え方もある。だが、これについても野々村社長は、キッパリと言いきる。

 

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