マンUのパニックバイの末路 ファン・ハール監督に問われる約270億円補強の是非

ウェルベック放出に後悔?

 マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督は9日、自らの決断に後悔を見せなかった。指揮官は今季開幕前にイングランド代表FWダニー・ウェルベックを放出し、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオを獲得。だが、FAカップ準々決勝アーセナル戦で、そのウェルベックに決勝点を奪われてしまった。英衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じている。
 ウェルベックは準々決勝の舞台となったオールド・トラッフォードと目と鼻の先の街で育ち、ユナイテッドのアカデミーからトップチームに昇格した生え抜きだった。だが、昨夏の移籍市場最 終日にファン・ハール監督によって放出された。
 モナコから期限付き移籍で加入したファルカオは移籍当初、買い取りオプションの行使は当然視されていた。だが、マンUにはフィットせず。フランスメディアはマンUがすでにモナコに買い取りオプションを行使しない旨を伝えたと報じてきた。
 試合後の記者会見では「ファルカオを獲得し、ウェルベックを放出したことを後悔しているか?」と質問が飛んだ。すると、オランダ人指揮官は取り乱してこう答えた。
「彼(ファルカオ)は4得点を決めている。アシストも3、4回しているし、他の選手を活気づけている。それが彼の仕事ぶりの一部分だ。しかし、(後悔していると)あなたたちがそう言うのは簡単だ。面白いのかもしれないけれどね 」
 地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」は公式ツイッターで「今は目をそらせ、ルイス・ファン・ハール」というメッセージとともに、ファルカオとウェルベックの今季の個人成績の比較を掲載している
 ファルカオは今季通算20試合出場4得点4アシスト。シュートは34本。一方、ウェルベックは30試合出場で8得点2アシスト。シュートは69本放っている。途中出場の多いファルカオに対し、ウェルベックはこの日、1トップで先発したが、アーセナルではサイドアタッカーとして起用されることが多い。一概には比較できないが、直接対決のピッチで輝いたのはウェルベックだった。
 ウェルベック放出時、ファン・ハール監督はサポーターや有力OBから多くの批判を受けた。さらに、 この日、今季補強の目玉だったアルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリアが退場処分を受けてチームの足を引っ張ってしまった。
 ファルカオのレンタルバックは濃厚で、今季270億円を投じたオランダ人指揮官の補強政策の是非を問う声は再燃しそうな雰囲気だ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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