ジェラードの真の後継者 キャプテンマークを巻く勝率100%の男

キャプテン・ヘンダーソンは勝率100%の男

 ヘンダーソンがキャプテンとして放つ存在感は、データの数値としても表れている。

 リバプールは、直近のリーグ戦12試合で9勝3分けという驚異的な成績を残している。その中でジェラードとヘンダーソンがキャプテンを担った試合はちょうど互いに6試合。ここで注目したいのは、その勝率だ。

 キャプテン・ジェラードの成績は第17節以降で3勝3分。勝率で言うと「50%」となっている。

 対するキャプテン・ヘンダーソンは、6勝0分で勝率「100%」。つまり、全勝しているのである。サウサンプトンやマンCという大一番でもヘンダーソンはチームをまとめあげ、勝利に貢献した。

「彼は真のリーダーになりつつある」

 バーンリー戦の試合後、ブレンダン・ロジャース監督はそう口にした。絶えず声を張り上げチームを引き締める。その姿勢を評価したのか、指揮官は既に立派なキャプテンと見なしているようだった。

 現在、ヘンダーソンは24歳。それは奇しくも、ジェラードが2005年にUEFAチャンピオンズリーグ決勝で0-3からの逆転優勝を収めた「イスタンブールの奇跡」を起こした年齢と同じだ。

「ジェラードは長年に渡ってグループのリーダーだった。これからは難しくなるだろう。だが、それでも僕らは進んでいかなければならない」

 英メディア「BBC」でそう語ったヘンダーソンの目には、しっかりと「スティーブン・ジェラード」が宿っていた。

 来季、選手入場で一番手にピッチを踏みしめる背番号「8」を見ることはもう叶わない。しかし、キャプテンマークをその腕に巻く背番号「14」が、先陣を切ってアンフィールドの歓声を浴びることとなるだろう。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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