Jリーグからは消えない――昨季リーグ2位&天皇杯優勝の横浜F・マリノスが単年度の黒字化に成功

経営を改善しつつ、優勝争いに絡む

 日産時代に培ったマーケティング戦略等も取り入れながら、観客動員や広告、グッズ等の売り上げ増を図った。本拠地の日産スタジアムがある横浜市港北区に対し重点的に普及活動を行う「港北プロジェクト」なども施策の一つだった。

 そのような経営努力が実り、昨季は平均入場者数が2万7496人と前年比19・8%増という大幅な伸びを記録。11月の新潟戦では6万2632人とJリーグ観客動員の新記録も樹立し、入場料収入も前年比36・5%増で、クラブ史上初めて10億円を超えた。

 さらに過去3年、売上を順調に伸ばしてきたグッズ販売も、前年比で11・2%アップし、初の5億円台に。スクール事業やスポンサー収入も10年以降、堅調な伸びを見せており、売上高合計は前年度に比べ16・1%、約6億円増の約43億円で、実質的に過去最高水準にまで到達した。

 一方で、優勝争いに絡むための人件費を維持した結果、チームはリーグ2位となり、直後には天皇杯を制して9シーズンぶりのタイトルを獲得。ナビスコ杯を含め3大タイトルすべてでベスト4以上という好成績を収めた。チーム成績と経営の両面がかみ合った結果、単年度黒字を達成することができた。

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