流経大柏が9年ぶりV 日大藤沢に“落とし穴”…決勝弾を呼んだ「土壇場の変化球」

「土壇場の変化球」を予測できたゆえの一撃

 それまでのパワープレーで「頭を越されてはいけない」というイメージを与えるには十分だった。しかも、流経大柏は、大型センターバックの関川郁万(2年)が得点王争いを繰り広げていたこともあり、関川が走り込むミドルとファーを相手選手も気にかけていた。

 日大藤沢の主将・安松元気(3年)は「ゴール前で一瞬だけフリーにしてしまったところで決められた。もっと長い距離で(スローインが)来ると思っていたので、跳ね返す自分たちが少し後ろに構えてしまった。ロングスローの対策が曖昧だったのかもしれない」と失点の場面を悔やんだ。

 石川のスローインが、「土壇場の変化球」となり、予測のできた熊澤が試合を決めるゴールを奪った。熊澤は準々決勝の長崎総合科学大学附属(長崎)戦でも、相手GKのわずかな隙を突くシュートで決勝点。2試合とも途中出場で大仕事を成し遂げた。

 機転の利いたプレーで勝利を呼び込む力は見事の一言。大会優秀選手には選出されなかったが、「MVP級」の活躍だった。

【了】

平野貴也●文 text by Takaya Hirano

平野貴也●写真 photo by Takaya Hirano

 

 

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