連戦続き「楽だった」→高強度を「続けないと」 長期離脱明け代表DF…明かす欧州5大のリアル

ホッフェンハイムの町田浩樹【写真:Laci Perenyi/アフロ】
ホッフェンハイムの町田浩樹【写真:Laci Perenyi/アフロ】

ブンデスリーガで経験している負担の違い

「ベルギーリーグの時は、連戦が続くことも自分にとっては楽だったというか、全然問題なかったんですけど、ブンデスリーガになるとリーグ戦のレベルが上がって。連戦になるとかなり疲労度だったり、インテンシティが高いなかで連戦をこなさなきゃいけないので、そこはすごく違いを感じますね」

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 ドイツのホッフェンハイムでプレーする日本代表DF町田浩樹が、UEFAヨーロッパリーグのリヨン戦後にベルギー時代との違いについて率直な思いを明かした。

 昨年8月に左膝前十字靱帯を断裂し、長期離脱を余儀なくされた町田。今季第3節のシュツットガルト戦で約1年ぶりの公式戦復帰、続く第4節パーダーボルン戦ではフル出場を果たしている。その後、国内リーグを戦いながら、週中にはヨーロッパのカップ戦に継続して出場。欧州のトップクラブでは当たり前のように繰り返されているスケジュールだが、その負担は所属するリーグによっても違いが出てくる。

 町田の言葉を聞きながら、3年前にベルギーで取材した時のことを思い出していた。

 当時、町田はロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズの主力として活躍し、国内リーグだけでなく、ヨーロッパの舞台でも経験を積んでいた。カンファレンスリーグやヨーロッパリーグで戦う喜びについて尋ねると、町田はこんなふうに答えてくれた。

「カンファレンスリーグでも、ヨーロッパリーグでも、ベルギーリーグやって、週中にヨーロッパの戦いやってっていうのは、すごいタフですけど、すごく成長できているなと思います。たくさん試合できるんで僕は嬉しいっすね」

 試合数が増えることを歓迎していたのが印象的だった。実際、ヨーロッパのカップ戦では、各国の強豪クラブや世界的なスター選手と対戦する機会がある。そうした経験が日本代表でのプレーにもつながっているのではないかと尋ねた時には、こんな言葉も返ってきた。

「やっぱりこういうヨーロッパのコンペティションで戦えているというのは、自分にとっても自信になりますし。リバプールと対戦したり、サラー(エジプト代表モハメド・サラー)とマッチアップしたり。やっぱりあれ以上のウインガーはいないと思うんですよ。自信っていうのはすごく一戦一戦積み重なってきていると思います」

 世界トップクラスの選手と対峙することで、自分の現在地を確かめ、プレーへの自信を深めていく。町田にとって欧州カップ戦は、自分自身の可能性を広げてくれる刺激的な舞台だった。

 それから3年。戦う舞台はベルギーからドイツへと移った。改めて国内リーグと欧州カップ戦を並行して戦う日々について尋ねると、冒頭の言葉が返ってきたのだ。

 もちろん、ベルギー時代にも連戦を「すごいタフ」と表現していた。そして町田は膝の故障から試合復帰してまだ1か月少しというタイミングでもある。それでも、ブンデスリーガで経験している負担は、それまでとは明らかに異なるという。

 では、ブンデスリーガは具体的に何が違うのだろうか。フィジカルコンタクトの激しさなのか。それともプレースピードや攻守の切り替えの速さなのか。そう問いかけると、町田は「まあ、全部そうですね」と答えた。

「僕らは前からプレッシングでハメに行くというか、潰しに行くチームなので、それがやっぱり機能しないとひっくり返されて、長い距離を走らなきゃいけないですし。そこで潰し切る強さだったり、インテンシティの部分はやっぱりドイツでは必要とされますし、それを連戦の中でも続けないといけない」

 この言葉には、ブンデスリーガで戦う難しさが凝縮されている。前線から積極的にプレッシングを仕掛けてもいつも狙い通りに奪いきれるわけではない。相手にもそれをかわす技術や判断力があり、プレッシングを突破されれば、そこで相手の起点を潰し切ったり、素早く自陣へ戻り、広大なスペースをカバーしなければならない。身体への負担はとても高い。

 そして、ようやく試合が終わっても、数日後には次の試合が待っている。週2試合のペースで、消耗した身体を回復させながら、次の対戦相手に向けて準備し、再びトップレベルの強度を発揮する。その繰り返しこそが、欧州の第一線で戦い続ける難しさなのだろう。

 日本代表として活躍する選手たちが、普段どれほど高い基準のなかでプレーしているのか。町田の具体的な証言から、その一端が見えてくる。

 一方で、町田自身はブンデスリーガの強度に少しずつ適応してきた手応えも感じている。

「今シーズンやりながらどんどん良くなってきている、自分の身体自体も良くなっている感覚があるので、ここからかなと思います」

 連戦による疲労は決して小さくない。それでも、試合を重ねるなかで、身体が求められる強度に慣れてきているという実感がある。

 現在のコンディションについても、町田はこう話した。

「だいぶ試合をするごとに身体は良くなってきている感じもありますし。結構連戦できつかったんですけど、今回の休みはだいぶいい休養になったかなと思います」

 より高いレベルに身を置いたからこそ、それまで感じなかった負担にも直面した。そんななか、長期離脱から復帰した町田がその環境に適応し、着実にコンディションを高めているのは頼もしい限りだ。

 昨季5位でフィニッシュしたホッフェンハイムは6節終了時で14位と出遅れている。ここからの巻き返しに町田の力が欠かせない。日本代表復帰にも期待が集まる。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)取得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなクラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国で精力的に取材。著書に『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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