29歳苦労人は「日本のミルナーになれる」 去就も注目…代表OBが期待「違う評価を受けるべき」

バーミンガム・シティの岩田智輝【写真:SPP/アフロ】
バーミンガム・シティの岩田智輝【写真:SPP/アフロ】

【専門家の目|太田宏介】QPR戦で2アシストの岩田智輝

 イングランド2部バーミンガム・シティのMF岩田智輝は現地時間10月17日、チャンピオンシップ第11節クイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)戦に先発フル出場して2アシストを記録し、3-0の勝利に貢献した。今季ここまで全試合でピッチに立ち続ける岩田。今回のプレー、同選手に対する評価を日本代表OBの太田宏介氏に訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 最初の見せ場は前半27分だった。自陣CKの場面からカウンターに転じると、岩田は味方がデュエルしているところをレスキューし、ルーズボールを裏へ抜け出したFWリアム・ミラーにパス。ミラーはこれをきっちり決めて先制に成功する。

 そのまま1点リードで折り返した後半4分にも、岩田が輝きを放つ。中盤で味方がボールを失ったところ、素早いチェックで奪取に成功。そのまま前線へ駆け上がってゴール前でパスを受けると落ち着いて左のミラーにパスし、ミラーがこれを右足で蹴り込んだ。

 太田氏は岩田の2アシストをこう評価する。

「岩田選手に関しては、ボール奪取にあたっての『ここだ』というタイミングの見つけ方やそこからのスイッチの入り方、奪いきることを可能にするフィジカルの強さといった守備の部分はもちろんですが、今回の2つのアシストを見て分かるとおり、ボールを奪ってから運ぶ推進力や得点につなげる精度が非常に高い選手です。イングランドに移籍してからは、その推進力や精度が際立つようになってきた印象があります」

 現在29歳の岩田は2023年冬に横浜F・マリノスからスコットランド1部セルティックに活躍の場を移すも、レギュラー争いやチーム戦術の影響で出場機会は限られ不遇と呼べる時を過ごした。それでも、24年夏にバーミンガムへ移籍すると3部優勝に貢献し、今ではチームの中心としての地位を確立している。

 ただ、岩田とバーミンガムとの契約は今季限りで、日本復帰の可能性も浮上している。そんな岩田について「3部から這い上がってきたストーリーを考えると、一ファンとしてすごく応援したくなる選手」と太田氏。チームのプレミア昇格の可能性もあるなか、今後の期待を次のように述べた。

「30歳でプレミアデビューできたとしたら凄いですし、Jリーガーにとっての新たな指標にもなるはずです。チャンピオンシップではこれまでサイドで活躍する日本人選手が多かったことを考えると、セントラルで勝負する岩田選手はまた違う評価を受けるべきだとも思います。

 30歳を過ぎても輝きを失わずファイターとしてプレミアでプレーできれば、日本のジェームズ・ミルナーと呼べる選手になるでしょうし、そうなってほしいですね」

 今まさに脂がのっている岩田が今シーズンどのような成績を残すか。そして、去就はどうなるか。目が離せない。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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