WEクラブ社長の本音「間違いなく危機感」 ライバルで異例の共闘…女子サッカーに”新たな風”

C大阪×INAC神戸が合同記者会見を実施
WEリーグのINAC神戸レオネッサとセレッソ大阪ヤンマーレディースは10月21日、共同プロジェクト「バトルオブ関西」の一環として両クラブ合同による記者会見を行い、アイナックフットボールクラブ株式会社の代表取締役社長で元日本代表MF阿部浩之氏と、セレッソ大阪ヤンマーレディースでアンバサダーを務める丸橋祐介氏が出席した。
関西の女子サッカー界を大きく揺り動かすべく強力なタッグを組んだ。11月15日に両チームはリーグ戦で対戦を控えているなか、同プロジェクトは両クラブが連携し、各ホームゲームを活用した相互送客やSNSでの共同プロモーションなどを通じて、関西の女子サッカーのさらなる認知拡大と活性化、女子サッカー全体の魅力をより多くの方々に届けることを目指している。
今年6月にINACの社長に就任した阿部氏は冒頭、「僕自身が経験してきた大阪ダービー、多摩川クラシコですごいやる気が上がりましたし、ファン・サポーターもすごく熱狂を生んでいたなって。ダービーが一番すごかったと思って、そういう体験を皆さんにしてもらいたいですし、サッカー界全体を盛り上げることに、そういう力を使いたいなというのもあります」と、自身の経験をもとに同プロジェクトの立ち上げ経緯を明かした。
それでも、「ライバル同士ではあるんですけど」と前置きしつつ、根底にあるのは強い危機感。女子サッカーが抱える長年の課題にも言及した。
「絶対に負けられないライバル同士ではあるんですけど、女子サッカー全体を見渡すと、まだまだ観戦人口が少ないという課題もあります。自分たちのファンを増やすだけでなく、関西全体として女子サッカーを見る文化を、もっともっと増やすために両クラブで手を取り合って、ダービーをみんなに見てもらいながら、増やしていきたいなと。関西に女子サッカーという熱い文化をしっかりと根付かせていきたいなという思いを持っています」
丸橋氏も、阿部氏の言葉にうなずきながら、「普段はピッチで戦うライバルで、もちろん試合には絶対に負けたくないですが、女子サッカーを盛り上げる場面では全力で力を合わせていきます」と、応じた。
元Jリーガーで長年のキャリアを持つ2人。女子ならではの魅力、観戦したことない人向けに阿部氏は競技性とスタジアムの空間という2つの視点から男子との違いを分析した。
「スピード感は違うんですけど、技術力が発揮されやすいというか、サッカーとしての巧みさがダイレクトに伝わってきます。僕は好きでしたけど、ブーイングとかそういうのもない、殺伐としたものがなくすごくクリーンで温かい雰囲気作りっていうのも女子サッカーの魅力だと思っています」
一方の丸橋氏も、自らの左足でファンを魅了してきた経験を踏まえ、「『え、そこから入るんや』っていうスーパーゴールもあったりと、見ていてすごく楽しいです。技術の高い若い選手が今どんどん出てきていますから、そういった選手を応援してもらうのはすごくいいかなと思いますし、一緒に育っていくっていう部分では、若い選手を見て、応援してっていうのは、すごくいいんじゃないかなと感じています。あと、初めて見る方には、レディースから入りスピード感に慣れていただいて、そこからトップの試合だったりを見ていただけたら、すっと入れるんじゃないかと思います。そういった部分では女子サッカーの魅力かなと感じています」と、力説した。
会見全体、そして質疑応答でもどう観客を増やしていくのかの話が多くなり、阿部氏は「間違いなく危機感でしかないというか、もっともっと伸ばしていかないといけないなと思っています」と吐露。そのなかで、「これに限らず本当に色んな取り組みをもっともっとチャレンジするフェーズにあるのかなと思っています。今までしたことないことをした方がより認知も広がると思ってますし、今までやったことないことをどんどん取り組んでいきたい。それが、面白そうだなと思って来てくれる人たちを増やす要因になるのかなと思っているので、今までやったことないことにチャレンジしたいなと思っています」と、3度も「今までやったことないこと」という言葉を用いて強い覚悟を口にした。
ピッチ上のバチバチとした戦いと、ピッチ外での強固な結束。関西の2クラブが巻き起こす新たな風が、女子サッカー界にどのような熱狂をもたらすのか。まずは11月15日、ノエビアスタジアム神戸からその第一章が始まる。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)























