金メダルでの一律免除は「歪みを生んでいる」 韓国サッカー界を直撃する法改正案…特例廃止へ広がる波紋

アジア競技大会男子サッカーを制したU-23韓国代表【写真:ロイター】
アジア競技大会男子サッカーを制したU-23韓国代表【写真:ロイター】

アジア競技大会で4連覇を果たした韓国選手の言動が問題視

 U-23韓国代表は、10月3日まで愛知県・豊田スタジアムなどで行われたアジア競技大会で優勝し、史上初となる大会4連覇を飾った。北中米ワールドカップ(W杯)でホン・ミョンボ監督が率いるA代表がグループステージ敗退だった韓国サッカー界にとって、明るい話題であるはずだったが、優勝後の選手たちの行動が大きな波紋を呼ぶこととなっている。

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 アジア大会の男子サッカーは、23歳以下の選手にオーバーエイジも出場できるというレギュレーションだが、日本やウズベキスタンは将来に向けた若手の強化としてU-21年代のチームで参戦した。一方、韓国はU-23年代の選手をそろえ、オーバーエイジ枠もフル活用。韓国1部江原FCのDFイ・ギヒョク、イングランド2部スウォンジーのMFオム・ジソン、スコットランド1部セルティックのMFヤン・ヒョンジュンの3選手を招集し、必勝態勢で大会に臨んでいた。

 その背景にあるのは、この大会で優勝すると選手たちは兵役免除となる韓国内の規定。今回も韓国代表の20選手について適用されることになった。しかし、優勝が決まった直後のインタビューで、イ・ギヒョクが「軍隊には行かない。金メダルを取れなければ、9日後に入隊予定だったので、切実で必死だった」と発言したのを皮切りに、複数の選手たちが兵役免除を大いに喜んだ。

 なかでも、FWヤン・ミンヒョクの「メダルやトロフィーは関係なかった。僕たちは兵役免除という報酬だけを見て試合をしていた。メダルやトロフィーは、正直、重要じゃなかった」という発言が問題視され、韓国国内で大バッシングを呼ぶことに。選手たちは謝罪、釈明をして騒動の火消しにかかったが、時すでに遅しといった状態になっている。

 韓国紙「毎日新聞」によると、「国民の力」のチュ・ホヨン議員がアジア大会の金メダリストのへの兵役特例を廃止する「兵役法」改正案を国会に発議したという。記事では「アジア大会の金メダリストに対し、一律に兵役特例の得点を与える制度を廃止する法案が国会に発議された。2026年の愛知・名古屋アジア大会に向け、サッカーや野球の代表チームを巡り兵役特典に関する議論が巻き起こったことを受けた動きと言える。与野党ともに兵役特例制度の改善の必要性には共感しているだけに、本会議を通過できるかどうかが注目される」と伝えている。

 チュ議員は、「兵役の義務は国民の誰もが負うべき重く神聖な義務であるだけに、その例外についても、国民が納得できる厳格かつ公平な基準に従うべきだ。金メダル一つで一律に特典を与える現在の方式は、国威発揚という本来の趣旨よりも、兵役特典そのものが目的化してしまうという歪みを生んでいる」と指摘。現在の法律では種目毎の国際競技レベルや大会の規模を十分に反映できていないと判断したという。

 これまで多くの韓国人選手が、アジア大会優勝によって兵役免除となってきたが、仮に今回、兵役特例が廃止されることとなれば、韓国サッカー界には大きな影響が出てきそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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