中国勢の“爆買い”が今夏不発に終わった理由 アジア通の英国人記者が背景を解説

14日に中国の移籍市場が閉幕 噂されたビッグネームの獲得は実現せず

 近年の移籍市場では、欧州クラブに所属するビッグネームたちの有力な移籍先として中国1部リーグ勢が浮上していたが、その流れは終焉を迎えることになりそうだ。

 今夏の中国移籍市場が14日にクローズしたなか、目立った動きは1月にドルトムントと合意し、グラナダへのレンタル移籍を経て今夏から重慶力帆に所属するコロンビア代表FWアドリアン・ラモスと、総額45億円の買い取りオプション付き期限付き移籍でケルンから天津権健に加入したフランス人FWアントニー・モデストくらい。これまでの動きに比べると、地味な印象は拭えない。

 これについて、かつてAFCの機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、20年以上にわたってアジアのサッカーを報じている英国人のマイケル・チャーチ記者(現在はフリーランス)は、こう説明する。

「少し前まで、この夏も中国クラブによる常軌を逸した人民元の札束攻勢が移籍市場を賑わすものと思われていたが、意外にもあっけない結末を迎えることになった。半年前の冬のマーケットでは、上海上港が推定6000万ユーロ(約77億円)でチェルシーからオスカルを獲得するなど、中国勢が移籍市場に投下した総額は約3億9000万ユーロ(約503億円)。これは過去最高を記録しただけでなく、イングランド・プレミアリーグ勢の約1.5倍もの数字だった」

 

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