「最後にアタッカーとして」 原口元気が明かす欧州再挑戦の真意…行き着いた「ボランチで勝負」の覚悟

ベールスホット原口元気、ドイツでの実績が「リスペクトされた」
今年35歳になった元日本代表MF原口元気が、ベルギー2部ベールスホットでの最初のシーズンを終えた。プレーオフ決勝で惜しくも敗れ1部昇格を逃したが、原口自身は随所で鋭いプレーを披露。悔しさと充実感を胸に帰国したなか「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じ、激動のシーズンについて胸の内を明かした。(文=轡田哲朗/全3回の2回目)
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昨年9月に自身2度目となる欧州移籍を決断し、ベルギー2部ベールスホットに加入。その1シーズン目の戦いは、1部昇格にわずかに届かなかった。今やベテランの域に入った原口は適性ポジションを自己分析し、劇的な決勝ゴールもあった昇格プレーオフでの激闘について「少し悔いがあります」と振り返った。
欧州移籍市場の最終盤で浦和レッズからベルギーへ戦いの場を移した原口は、移籍加入からすぐにレギュラーとしてプレーした。2014年夏から10シーズンを過ごしたドイツの各クラブを「もちろん仲のいい選手もいましたけど、どちらかというとライバル、全員が戦いにきているような雰囲気でした」と称した一方、ベルギーでは落ち着いたチーム環境の中でプレーしているという。
「ブンデスリーガで10年やったという実績も、ベルギーリーグの中では実績がある方ですし、それを見るだけでもリスペクトしてくれる。ドイツだと、もっとギクシャクした関係性だったり、ライバル視があったりの環境が多かったですけど、ベールスホットではリスペクトを比較的簡単に得られました。それは楽というか、頼りにされるというか、いろいろな面でスムーズに入っていける環境だったと思います。アットホームな雰囲気というか、チームの一体感があるように感じました」
原口は2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)のベルギー戦でのゴールも助けに、知名度の高い存在として加入して、主にボランチで同い年のMFルーカス・ファン・エーノーとコンビを組んだ。浦和に在籍していた2025年、原口は自身のルーツとも言えるアタッカーとして「勝負したい」という意向を語り、プレシーズンでもそれを念頭に置いた体づくりをして臨んでいた。そうしたポジションへの思いについて、原口はキャリアを重ねての現状をあらためて自己分析したという。
「ベルギーで1シーズン通してプレーして、自分のパフォーマンスを見た上では、浦和でも中盤、ボランチで勝負した方が、良かったんじゃないかなと、今振り返れば思います。自分の気持ちとしては、もう一度最後にアタッカーとして輝きたいという気持ちがありました。そのトライに関しては悔いもないです。ただ、難しさは感じました」
ベルギーで最初のシーズンを終え「今までのリーグレベルで言えば、一番低いところでプレーしていると思います。Jリーグと比べてもそうです。それでも、1部に昇格するという明確な目標があったので、退屈感はなかったです。毎試合、毎試合、緊張感のあるゲームができて、それも良かったと思います」という思いを口にした。それでも、あとわずかなところで1部昇格を逃したのは苦い思い出になった。

来シーズンは「しっかり優勝して1部に行きたい」
ベールスホットはレギュラーシーズンを3位で終え、3位から6位の4チームが出場する昇格プレーオフの戦いに臨んだ。パトロ・アイスデンと対戦した準決勝では、セカンドレグの延長戦で原口が決勝ゴールを決めた。しかし、ロンメルとの決勝戦は2試合とも1-3で敗れ、昇格に手が届かなかった。
「客観的に見ても、1部に上がる力はあったと思います」と話すものの、最も悔しさが残るのはロンメルとの第1戦だという。それでも、その戦いから得るものもあったという。
「120分やって、116分に決勝点を取った試合の後でした。さすがに疲れて、2日間くらい体調が悪くて寝込んでしまったんです。そこから2日間ぐらいリカバリーして試合だったので、パフォーマンスもたぶんシーズンで一番悪かったくらい。そこをやっぱり90分、90分で倒していくことも大事だったなと思います。
ただこれは、今後サッカー界に残っていく上で、いい経験になると思いました。もちろん自動昇格できれば素晴らしかったですけど、プレーオフを楽しみにしていた部分もありました。そもそも、いろいろな体験をしたくてヨーロッパに戻ったというのもあります。プレーオフ自体はすごく興味深く、いろいろなことを感じながら、いい経験ができたと思います」
ベルギーでの2年目に向け、原口は「リーグの肌感も分かりましたし、どういうものが大切かも理解できたと思っています。また全然違うシーズンになると思いますけど、できればしっかり優勝して1部に行きたい」と、自信も見せつつ気持ちを新たにしている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
















