周囲から届いた“ゴール”求める声「言われすぎた」 1年8か月ぶりも…24歳が焦らなかった理由

鹿島の荒木遼太郎【写真:徳原隆元】
鹿島の荒木遼太郎【写真:徳原隆元】

荒木遼太郎は鬼木監督就任後は初ゴールだった

「1位」をもたらしたのは、悩める24歳のアタッカーだった。5月17日に行われたJ1百年構想リーグ第17節、鹿島は2−0でジェフユナイテッド市原・千葉とのアウェーゲームを制し、最終節を前にして東地区の1位を確定。この試合で決勝ゴールを決めたのが、トップ下で先発した荒木遼太郎だった。

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 立ち上がりからチャンスをつくりながらも、なかなかゴールを挙げられなかった前半43分、FW鈴木優磨のボール奪取からチャンスを作る。鈴木がスライディングしたボールを受けた荒木は鈴木に「打ってもらうような」パスを出す。しかし、ここで鈴木はシュートを打たずにリターンパスを選択。「返ってきてちょっとビックリした」と言う荒木だが、冷静にDFの逆を取って右足を振り抜いてシュートを決めた。

 FC東京に在籍していた2024年9月の浦和戦以来、1年8か月ぶりとなるJ1でのゴールについて「素直に嬉しいなと思います」と安堵した。「前からプレスをかけてショートカウンターという形は、一つ狙っていました。意外とゴール前で冷静に相手を見ることができたので。最後は(DFに当たりながらも入って)ラッキーな部分もあったんですけど、気持ちでねじ込んだような形で決まって良かった」と振り返った。ゴール後には鈴木と抱き合って喜んだが、その際には「プレゼントだよ」と、ピッチ内外で仲の良い40番から言われたという。

 パスをつなぐサッカーを標榜する鬼木達監督のスタイルに適した選手と思われていた荒木だが、この1年半、安定して出場機会を得られたわけではない。出場機会を与えられても、これまでゴールを決められなかった中で、周囲からはゴールを求める声も聞こえていた。

 それでも、自分がチームに求められていることを考えながらプレーできたことで焦らなかったと言う。

「(ゴールを取れと)いっぱい言われていましたけれど、言われすぎたので、そんな気にしないようにしていました(笑)。いずれ決まるだろうという感じで。今シーズンは特にゴール前というより、チームのビルドアップの逃げ道として、少し低めのポジションでゲームを作る形が多かったので。もっとゴール前に本当は行きたかったのですが、今日はトップ下になったので、ゴール前に果敢に入っていきました」

 これが、2025年から指揮を執る鬼木監督の下では初ゴール。試合後、指揮官からは「やっと決めたな」と声をかけられた。

「もう少し、前進させたりできればよかったと思いましたけど」と課題を挙げつつも、荒木は「トップ下は本当にやりやすいですし、ゴールにかかわっていくチャンスが増えるし、多いので。そういう意味ではやっぱりトップ下が楽しい」と、持ち味の技術を活かせるポジションでのプレーについて語った。

 百年構想リーグの試合は残り1試合、そしてそのあとには西地区1位とのプレーオフがある。その2試合に向けて、荒木は「1位が決まっても、決まらなくても、試合に臨む気持ちは変わらない。『勝つ』という気持ちは変わらないと思うので、全力で勝ちに行きたいなと思います」と、これまでと同じスタンスで勝利を目指していくと宣言した。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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