CB登録も…FW起用で「ついに来た」 最前線に立つ”背番号4”のこだわり「ずっとずっとやりたかった」

西武台3年生FW阿部貴史
4月4日に開幕した高円宮杯プレミアリーグと全国7地域のプリンスリーグ。ここではリーグ戦で躍動を見せた選手を紹介していきたい。
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今回はプリンスリーグ関東2部から。4試合で1勝2敗1分けの8位につける西武台高校の最前線には背番号4のストライカー・阿部貴史がいる。
第3節の鹿島学園戦で掴んだ今季リーグ初勝利に2ゴールで貢献したFWの『ストライカー へのこだわり』は相当強かった。その理由をひも解いて行きたい。
「ずっとずっとFWがやりたかった。今はものすごく大きなチャンスが来ていると受け止めています」
背番号4とDF登録であることが示す通り、阿部はCBを主戦場としている。だが、その心の内は小学生時代からFWでプレーしたい自分が常にいた。
「中学の途中でFWからCBにコンバートをして、そこからCBで定着していました。試合に出られるならどこでもいいと思う一方で、『いつか必ずFWをやりたい』という思いは消えませんでした。高校に入ってからもずっとCB でしたが、ずっとFWのポジションは狙っていました」
175cmと大柄ではないが、フィジカルが強く、かつ跳躍力とスピードを兼ね揃えている。その能力と、強い想いを心に抱きながらも与えられたポジションに抵抗をしたり、不満に思ったりすることはなく、全力でこなそうとする姿勢も評価をされてCBとして信頼を得てきた。
だからこそ、今年のリーグが開幕し、FWに負傷者が出たことで、「能力が高いし、前線で起点を作り出したり、ハードワークをしたりしてくれると思った」と関根雄太監督が第2節の矢板中央戦で彼に白羽の矢を立てた。
「ついに来たと思いました。ずっとCBで1対1で負けない、ヘディングで必ず勝つという強い気持ちを持って取り組んでいたので、それを最前線で点を取るために発揮する。シンプルなことですし、実はドリブルや飛び出しも得意なので、それを存分に発揮しようと決めて臨みました」
矢板中央戦では結果を残せなかったが、鹿島学園戦ではMVP級の活躍を見せた。前半立ち上がりに相手DFのGKへのバックパスに対し、「パススピードが弱いと感じたので、奪い取るつもりで瞬間的にバッと動き出したら、まるでスルーパスを受けるような形になったんです」と口にしたように、素早い動き出しと加速力でいち早くボールに追いついて、慌てて飛び出してきたGKの位置をよく見てゴールを射抜いた。
さらに前半27分に左サイドからのスローインを左ポケットに抜け出して受けると、素早くターンして前を向き、高速シザーズからカバーにきたDFを交わした。そして、角度のないところからGKの頭上を撃ち抜く強烈なシュートをゴール右サイドネットに突き刺した。
この2ゴールによってチームは3-1で大きな白星を掴み取った。
「中学時代から自主練になるとずっと裏への抜け出しやシザーズからの突破、カットインシュートなどをやっていたので、2点ともボールが出た瞬間に反射的に一連の流れが出た。2点目のシュートは最初ニアに打とうと思ったのですが、ファーが空いているのが見えたので、最後に判断を変えました。ずっとFWをやりたくて取り組んでいたことが自然と出たので本当に嬉しいです」
置かれた場所で輝く努力と、「いつかは必ず」と信じてFWとしての努力も怠らなかったからこそ、掴み取った大きなチャンスとゴールという明快な回答。同時にFWとして身に付けないといけない課題も感じ取った。
「僕と同じくらいのサイズの鹿島学園の内海心太郎選手のプレーを見て大きな刺激を受けました。身体の当て方とか、ボールを収めるタイミングと質が高いなと思いましたし、僕にこれが出来るようになれば、もっと自分一人で持っていけるようなFWになれるんじゃないかと思ったので、これからは自主練でサイズのでかいCBの選手にお願いをして、ボールを収める練習や競り合いをどんどんやって行きたいと思います」
向上心に火がついた阿部の目はギラついていた。早く練習がしたいと言わんばかりに。
「出来るならこのままフォワードでやりたいです。もちろんもう一度CBに戻れと言われても、素直に受け入れてそこで全力を尽くしますが、純粋にFWが好きなので、この気持ちだけは持ち続けたいんです。今は4番を背負わせてもらっていますが、僕は9番がずっと好きな番号なので、9番を狙って行きたいと思います」
この気持ちが成長を促す。次会うときはどんな姿になっているのだろうか。もし仮に4番のままでCBをやっていたとしても、間違いなく今より成長しているだろうと確信している。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』、新刊は『ともに歩き出す サッカーと家族と新しい日常』(ともに徳間書店)。講演家としても全国を回っている。












