神戸内定FWのPK阻止「まじか」 チームを救った1年生GK…監督称賛「神経も太い」

石井那樹の活躍で山梨学院が勝利(写真はイメージです)【写真:中戸川知世】
石井那樹の活躍で山梨学院が勝利(写真はイメージです)【写真:中戸川知世】

山梨学院1年生GK石井那樹がPKストップで勝利に貢献

 第104回全国高校サッカー選手権は12月29日に各地で1回戦の試合が行われ、浦和駒場スタジアムの第1試合では山梨学院(山梨)の1年生GK石井那樹がPKストップする活躍を見せて2回戦へ進出した。

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 優勝した第99回を最後に初戦敗退が続いていた山梨学院は、ヴィッセル神戸への加入が内定しているFW伊藤湊太を擁する京都橘(京都)と対戦。試合のヤマ場は、ベンチスタートだった伊藤が投入された後半20分過ぎに訪れた。負傷を抱えるも投入された伊藤は左サイドからキレのあるドリブルを見せ、PKを告げるホイッスルが鳴った。大会得点王候補にも挙げられるエースと対峙したのが、山梨学院の1年生GK石井だった。

「PKになった時は、もう本当にまじかっていう感じで」と笑った石井だが、「もう止めるしかない」という思いでゴールマウスに立った。大舞台でありがちなキック選択や助走を見てコースを読むと、右に飛んで見事にPKをストップ。石井が絶体絶命のピンチを救った試合は0-0のまま前後半40分を終えPK戦に決着を持ち越した。

 高校生に入ってから1年生同士の試合も含め4回のPK戦を全て負けていたという石井は「今日が5回目で、怖いなと思ってたんですよ、正直」という思いを明かす。それでも、試合中のPKストップで得た自信は「楽しくなってきた」というメンタリティーに変化させた。

 そのPK戦も、4人目まで全て飛ぶ方向は合っていた。腕の下を抜けてしまったシュートや、弾いたものゴールに転がり込んだものもあり「読みが当たって、いい感じだと思ってたんですけど、まだ止められないか」という思いもあったと話すが、京都橘の6人目を石井が止めてPK戦のスコア6-5で山梨学院が勝利した。

 大場健史監督は石井を「プレッシャーが掛かる場面は得意だと思います。1年生だけど神経も太いし、将来的に素晴らしいGKになると思います」と話す。また、同校のOBでヴァンフォーレ甲府などでプレーした岡西宏祐GKコーチも「3年生GKがいる中、こちらとしても難しい決断ですけど、パーソナリティーの部分も素晴らしいし、こういう風にやっていこうというこちらの要求に対してしっかり応えてくれる」と話した。

 石井はプロの世界も知る岡西GKコーチの存在を「大舞台は自分にとって初めてで、アップの時にも固くなっていたら、ちょっと笑顔でリラックスさせてくれるような声掛けもしてくれました。プロの大きな舞台でやっていたので、その緊張の部分やメンタルは本当に助けられたんです」と話す。

 第99回大会の優勝に導いたGK熊倉匠(現鹿児島ユナイテッド)の活躍に憧れて山梨学院への進学を意識したということも含め、1年生GK石井の活躍には山梨学院と高校選手権の歴史が背景にあった。

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