クラブ史上初…現役大学生が「楽しみでしかない」 代表OB絶賛のゴール「難しさがある」

浦和レッズの肥田野蓮治(43番)【写真:Getty Images 】
浦和レッズの肥田野蓮治(43番)【写真:Getty Images 】

【専門家の目|太田宏介】中島翔哉のパスから肥田野蓮治が決勝弾

 浦和レッズは11月30日にJ1第37節のアウェーゲームでファジアーノ岡山と対戦。特別指定登録選手で、来季加入内定のFW肥田野蓮治(桐蔭横浜大)がMF中島翔哉のアシストからデビュー戦でゴールを決めたなか、日本代表DF太田宏介氏が「これから楽しみでしかない」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 今後の浦和を担う逸材が鮮烈なデビューを飾った。浦和は直近のリーグ戦8試合でわずか1ゴールと得点力に苦しんでいるなかで、マチェイ・スコルジャ監督は肥田野を今季初めて試合の登録メンバーに入れただけでなく、スタメンに抜擢した。

 すると、0-0の後半27分、中島がボールを運ぶと右サイドを走っていた肥田野は一気にスピードを上げてDFラインの背後を狙った。中島からの絶妙なスルーパスを受けた肥田野は左足でゴールネットを揺らした。

「今浦和は点が取れず勝てなくて、この試合もサポーターが応援をボイコットと特別な空気の中で先発を任されるのは選手側からしたら、デビュー戦でもありますし難しさはものすごくあったと思う。中島選手を信じて走りを止めなかったこと、本来だったらDFラインを気にしながら角度を変えたりするなかで勢い止めずに走り抜けたことが中島選手のスルーパスを引き込んだと思いますし、あのタイミングで左足で流し込めたからこそ入ったゴールだったと思います」

 浦和はこれまでユースチームに所属する選手を2種登録選手として試合に起用したことはあるものの、クラブ外の高校生や大学生で特別指定登録された選手をリーグ戦に起用するのは史上初であり、ゴールもクラブ史上初の快挙となった。

「デビュー戦、決勝点かつこれから正式加入というこれから楽しみでしかない。実況も『浦和の未来』と言ってましたけど、来季キャンプでもバリバリ主軸になって、浦和を象徴するような選手になってほしいですよね。ネクスト興梠慎三は言いすぎですけど、やっぱりファンも期待するでしょうし、また楽しみな選手が出てきたなと」と期待と寄せている。

 太田氏は肥田野を称賛しつつも、アシストした中島のプレーにも注目。ピッチ中央で浮き球をピタリと足元に収めた中島は相手を背負いながら、もう1人に寄せられたがボールを持ち出し回避。そしてドリブルで運び絶妙な強さのスルーパスを供給した。

「あのゴールはもう中島選手のターンで決まったと思うんです。浮き玉の処理と囲まれてもすっと入っていく。あまり説明できないですけど、『あれが中島翔也』というプレーですよね。一瞬のひらめきと0から100になる一瞬の速さとドリブルのコース選択。本当にセンスの塊ですよね。スルーパスも強すぎても弱すぎてもあのゴールは生まれなかったと思うので、味方のスピードを殺さないスルーパス、まさにあれです。あんなスルーパスを受てみたかったです」

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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