英名門MFを”弾き飛ばし”→チャンス演出「もう中盤の核」 代表OBがフィジカル注目「競走馬のよう」

【専門家の目|太田宏介】鎌田のチャンス演出シーンが話題に
イングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスは現地時間11月30日、リーグ第13節でマンチェスター・ユナイテッドと対戦し、1-2で敗れた。日本代表MF鎌田大地は相手を弾き飛ばす力強いタックルでボールを奪取し、スルーパスでチャンスを創出。元日本代表DF太田宏介氏が「もう中盤の格となっている」と絶賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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鎌田はホームにユナイテッドを迎えた一戦で11試合連続となる先発出場。試合はPKでクリスタル・パレスが先制したものの、後半に2点を奪われ逆転負けを喫した。そのなかで鎌田は得点には絡めなかったものの、守備やチャンス演出で存在感を示した。
前半19分、ユナイテッドが高い位置でボールを奪い、さらに攻め込もうとしたが、鎌田はMFアマド・ディアロを力強いショルダータックルで弾き飛ばした。攻撃の芽を摘みボールを奪うとそのまま運び、右のスペースへスルーパスを供給。これを受けたFWイスマイラ・サールのクロスは相手DFにブロックされたが、コーナーキックのチャンスへとつながった。
「一見細く見えるけど、競走馬のようにめちゃくちゃ詰まった身体をしている。体幹も強いし、あのタックルした後もただ潰すだけではなくてさらっとスルーパスを出してチャンスにつなげている。あそこで重心がぶれないのが何よりだと思いますし、スルーパスを含めてクリスタル・パレスの堅守速攻のところは彼が今担っている」
鎌田は加入1年目の昨季序盤はチームやリーグに適応できておらず、出番も限られていた。それでも恩師であるオリバー・グラスナー監督の下、徐々に順応を見せたシーズン終盤にはレギュラーへと定着。そして今季もクラブの月間MVPに2か月連続で選出されるなど、好調なチームで主力として絶対的な存在感を示している。
「日本人がプレミアのクラブであれだけの地位と信頼を得ていて、加入当初は途中出場とかが続いていましたけど、今はもう本当に中盤の核となっています。ただ中盤でボールを散らすだけじゃなくて、特にプレミアでより守備のところにも磨きがかかり、かつ攻撃もダイナミックに戦える選手になっている」
代表ではボランチとしても好パフォーマンスを見せている。「代表でのポジション争い本当にとんでもないことになってますよね、本当に」と太田氏が言うように、遠藤航(リバプール)佐野海舟(マインツ)、田中碧(リーズ)、そして復活の兆しを見せる守田英正(スポルティング)らがいるなかで熾烈なポジション争いが待ち受ける。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。












