欧州王者を撃破の一撃「難しいことをさらっと」 代表OBが“技術”に脱帽「もう伝統芸能」

【専門家の目|太田宏介】南野拓実が王者PSG戦で決勝弾
フランス1部モナコは現地時間11月29日のリーグ・アン第14節で首位のパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦し、1-0で勝利した。決勝点となった日本代表FW南野拓実のゴールについて、元日本代表DF太田宏介氏が「めちゃめちゃいいシュート」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
◇ ◇ ◇
チームを救う、そして王者を破る一撃だった。モナコはリーグ3連敗と苦境のなかで王者PSGをホームに迎えた。大一番で先発出場した南野は後半23分、左サイドのMFアレクサンドル・ゴロビンからのクロスを受けると、ワントラップして左足でシュート。狙いすました一撃をゴール右隅へと流し込んだ。
「めちゃめちゃいいシュートでしたね。PSG相手に決勝弾というところももちろんありますし、クロス自体がアバウトで浮き球での処理は難しかったと思う。でも無駄のないトラップとペナルティエリア内での細かい技術は本当に高く、昔からそうですけど落ち着いてるし、難しいことをさらっとやっている。南野選手の技術が詰まったゴールだったと思う」と太田氏は絶賛している。
南野は26日に行われたCL第5節パフォス戦(2-2)に続く2試合連続ゴールとなり、「チームが結果出ない中で代表含めて非常に調子がいい。ここで連敗をストップできたのはモナコにとってもすごく大きかったと思う。しかもそれが王者PSGっていうところでより価値もあるだろう、監督、選手、そしてファンからものすごく信頼を得てると思うのでさすがだなっていうところですね」と語った。
南野はトラップから左足のシュートまでスムーズに一連の流れでプレーしており、シュートはブロックに来た相手DFの股を通している。
「右ももでのトラップからシュートまでが何の躊躇いもない。多分あそこのコースに流し込んだ結果、その過程で股を抜いていったと思うんですけど、シュートがうまい選手や感覚を持っている選手はあえてちょっとタイミングをずらして、足を出して来たところの股を意図的に狙っていたりすると思います。感覚の部分だと思いますけど、焦らずにボールを浮かせないところが、あのゴールを生んだと思います。あとクロスが上がった時点でトラップから左足ボレーみたいなところはすべてがイメージ通りだったんじゃないですかね。リバプールの時代からそうですけどゴールを取れる場所を知っているから、スペースで待ってるんじゃなくて、わざと空けて入ってきている。なんかもう伝統芸能ですね。相手からしたら2列目、3列目から入ってくるのでなかなか捕まえづらいですし、対応が難しい」
これで今季公式戦4ゴール3アシストを記録。日本代表でも10月のブラジル戦での反撃の狼煙を上げるゴールや、先月のガーナ戦でも決勝弾となる先制の一撃を決めている。来年のW杯までにどこまで調子を上げていくのか注目だ。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。




















