クラブ初優勝で…数千件のお祝い 黒田監督が感じた名将たちの思い「影響がすごくある」

町田は神戸を破り初の三大タイトル獲得
FC町田ゼルビアの黒田剛監督が、天皇杯に優勝したあとの「名将」たちからの声を明かし、喜びを噛みしめた。
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11月28日、ホーム最終戦となる名古屋グランパス戦を前に報道陣の取材に応じた黒田監督は、25日に行われたACLアウェイ・江原戦の疲れも見せずに元気いっぱい。望月ヘンリー海輝がメディアに待ち構えられているのをからかったあと、集まった報道陣に囲まれた。
22日に国立競技場でヴィッセル神戸を3-1と下し、初の決勝進出で見事優勝を果たした町田のクラブハウスの中と玄関はお祝いの花で埋め尽くされている。プロ監督生活は3年目だが、その前は28年間青森山田高校の監督を務めていた黒田監督は「47都道府県に関係者は多い」ため、LINEやメールでお祝いが数千件来たと言う。返事はスタンプか、「先輩か、年上か、同級か、年下かに合わせて言葉を変えて」返信していたそうだ。
そういう喜びの中で、黒田監督がしみじみと語った。
「高校サッカーの名将たちがいるじゃないですか。古沼貞雄(元帝京高校監督)先生とか布啓一郎(元市立船橋高校監督)さんとか。他にも大阪体育大学(黒田監督の出身大学)監督の坂本康博先生もそう。そういう人たちが電話をくれたり、メッセージをくれたりしたのはちょっと嬉しかった」
それは電話をかけてきた人たちの思いを感じたからだった。
「(黒田監督が)高体連から出た(出身)というところも含めて、自分たちの代表として戦ってくれてるような感覚を持っているのか、それがいろんな高体連や大学も含めた指導者たちにすごく刺激を与えたり、そういう影響がすごくあるんだという話をしてくれて、うれしい感情という気持ちになりました」
天皇杯決勝では、自身が経験してきた全国高校サッカー選手権大会決勝の経験を踏まえて「前半15分までには必ず得点が動く」「イメージしなかったものが15分以内に必ず1回起こる」と選手に送ったアドバイスが見事に的中。前半6分に藤尾翔太のヘディングシュートから町田が先制点を奪って試合を優位に進めた。
だが、黒田監督は「たとえば小嶺忠敏(元島原商業/国見高校監督・故人)さんとか、古沼さんとか布さんがやるんだったら、もしかしたら同じようなことを言ったかもしれない。あのステージで何回も戦ってきた人たちっていうのは、もう勝つも負けるもいろんな経験してきているから」と謙遜した。
自身は「(優勝できず)銀メダルを首からかけながら(対戦相手が)優勝カップを掲げるのを見てるのは、あれぐらい悔しいことはない」という経験をし、「上の人たちから教わったこと、イメージしたこと」「何十回となる決勝戦の経験の中からデータ化されたもの」を「選手たちに少しでも参考になれば」と思って話したことが「そのまま起こった」のだと振り返った。
そして「選手たちも、初タイトルというもの、町田にタイトルを絶対何か一つを取ろうと今年スタートした経緯をしっかりと理解して、そこに全パワーを注いでくれた。やっぱり選手たちは素晴らしかった」と選手たちを讃えていた。
(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。





















