ソン・フンミンと2人で食事「韓国料理店に」 21歳へ差し伸べられた手…プレミアでも「強みは出せる」

トッテナムの高井幸大【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
トッテナムの高井幸大【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

高井幸大が思い描くトッテナムでの「活躍できるイメージ」

 この夏、1人の若者が海を渡った。21歳の日本代表DF高井幸大は川崎フロンターレからイングランド1部トッテナムへ完全移籍。アカデミーから育った愛するクラブを離れ、ロンドンへ渡った。ビッグクラブに移籍後すぐ負傷に見舞われ、離脱を強いられた高井は、今何を思っているのか――。最終回はロンドンで過ごす現在について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞/全3回の3回目)

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 もどかしく、もがく毎日……。移籍を決意してすぐに負傷で、そう予想したが高井のロンドン生活は全く違った。刺激的で充実した日々を過ごし、すでにチームへ合流したイメージもできている。

「プレミアで活躍できるイメージは具体的にあります。もちろんすごく大きな壁があるのは間違いないですし、それを選んだのは僕なので。正解にできるようにしたいと思います」

 最終ラインにはオランダ代表DFミッキー・ファン・デ・フェンやアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロらが並ぶなかで、ポジションを勝ち取っていかなければいけない。長期離脱を強いられ4か月。「今はすごく元気です、落ち込んだりする時期もなかった」と、英語のミーティングを懸命に理解し、すぐにでも実力を発揮できるよう備えている。

「僕にもいいところはあると思う。攻撃のところでは自分の良さ、ビルドアップで攻撃に関わっていく強みは出せると思う」

 ここまですぐチームに馴染むことができたのには理由がある。現在はMLSロサンゼルスFCに所属する韓国代表FWソン・フンミンから加入直後に食事へ誘ってもらったという。「ロンドンの韓国料理店に連れて行ってもらいました」。慣れない英語を懸命に使い、トッテナムのレジェンドとコミュニケーションを取ることで、改めて異国の地で戦っていく覚悟を持った。同じアジア人の先輩が後押ししてくれたことは大きかった。

 生活はガラリと変わった。川崎フロンターレ時代は寮に住んでいたが、今はロンドンで一人暮らし。食事も身体に気を遣って自炊している。母が遊びにきてくれた際に直接作り方を教えてくれた“秘伝レシピ”の肉じゃがは2度ほど作った。

ロンドンで1人故郷の味を

「母の味とは全く違いました(笑)。なんだか違うものができちゃって。一人暮らしは結構大変。料理も修行中だし、後片付けが大変で。でも、家族が応援してくれているのは間違いないですし、ありがたいので頑張っています」

 リハビリや練習を終え、自らのことを整えてサッカーに向き合う毎日。着実にプレーする時間は近づいている。日本と大きく変わった環境、時間……。今、高井はプレミアリーグという現実を見る。

「プレミアは基本的には時間がない。1人1人に。基本的に、もう、どのチームも1対1で強い選手がたくさんいるので、マンツーマンでいくのが、主流。非常にスピーディー。自陣でブロック組むチームもありますけど、やっぱり0から攻撃を生むというのはすごく難しい今のサッカーだなと思いますね。今のアーセナルもそうですけど、セットプレーが大切で、トッテナムもすごくいいセットプレーだなと思います。セットプレーだったりカウンターが日本と違う」

 言葉は決して多いタイプではない。だが、芯を持って考えを巡らし明日も戦うピッチでの精度を高める。高井は強い――。北ロンドンの練習場で21歳のセンターバックが確信をもたらしてくれた。

【実際の映像】高井幸大がプレミア挑戦と試練について語ったインタビュー

【実際の映像】高井幸大がプレミア挑戦と試練について語ったインタビュー

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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