日本が直面する得点力不足「勝利に結びつきにくい」 監督が期待する“ニューヒロイン”「素晴らしい才能」

なでしこジャパンの吉田莉胡【写真:SportsPressJP/アフロ】
なでしこジャパンの吉田莉胡【写真:SportsPressJP/アフロ】

WEリーグ得点ランキングトップのFW吉田莉胡

 なでしこジャパン(日本女子代表)が11月29日にカナダ女子代表と行う国際親善試合のメンバーが発表された。得点力不足に苦しむ中で、ニルス・ニールセン監督はWEリーグ得点ランキングトップのFW吉田莉胡に新たなストライカーとしての期待を寄せた。

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 なでしこジャパンは昨年末に史上初の外国人監督としてニルス・ニールセン監督が就任し、2月の国際大会シービリーブズカップでは世界ランク首位の米国女子代表を下すなど3連勝で優勝に導いた。しかし、その後は国内組を中心に臨んだ東アジア選手権での1勝のみと苦しんでいる。その要因の1つに挙げられるのが得点力不足であり、指揮官も「ボックス内でよりタフさを持ち、得点をすること。ここ2試合では1ゴールだが、それでは勝利に結びつきにくいし自分たちの目標には足りない」と話す。

 そうした中で、東アジア選手権以来の招集になったのが吉田だ。2022年のU-20女子ワールドカップ(W杯)への出場はあるものの、昨年のアジア大会で優勝に貢献したアタッカーは今夏の東アジア選手権が初のA代表選出だっただけに、海外組も入るなでしこジャパンに招集されるのは初めてのことになる。

 今季ちふれASエルフェン埼玉からINAC神戸レオネッサに移籍すると、3トップのいずれかでプレーしながら10ゴールを挙げ得点ランキングトップを走る。強豪への移籍をキッカケにポテンシャルが発揮された感のあるストライカーには「今、代表にいるストライカーとは異なったタイプだ」と、ニールセン監督が大きな期待を寄せている。

「ボールをゴールに入れるのが非常に上手い。ゴールの位置が見えていない瞬間でも決めるし、つま先でゴールをするとか、自然にそのようなことができるプレーを兼ね備えている。今、なかなか点が取れていない中でも新たな要素になる。身長もあるしスピードもあってゴールチャンスに強い。国際舞台への対応、特にフィジカル面で少し時間はかかるかもしれないが、克服できると思う。素晴らしい才能を持ったストライカーだと思う。得点の嗅覚を持っている。泥臭いゴールになるかもしれないが、コーナーキックから膝に当てて入れるのも見たが、得点感覚がある」

 ハイプレスを標榜するINACでは、常に前線で相手の最終ラインに対してプレッシャーをかけるプレーで献身性も見せている。WEリーグで得点力を発揮している吉田が、勝利から遠ざかっているなでしこのニューヒロインになれるか注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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