日本は「簡単なゴールを許しすぎ」 苦戦が続く就任1年目…改善点を監督指摘「ずる賢いことも必要」

なでしこは29日にカナダと対戦
なでしこジャパン(日本女子代表)が11月29日にカナダ女子代表と行う国際親善試合のメンバーが発表された。11月19日に東京都内で行われた記者会見で、ニルス・ニールセン監督は日本女子サッカーの成長に必要なものを「勝負に厳しくなるところ」と表現した。
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ニールセン監督は昨年末になでしこジャパン史上初の外国人監督として就任し、初の活動になった今年2月の国際大会シービリーブズカップでは、世界ランク首位の米国女子代表を下すなど3連勝で優勝に導いた。しかし、その後はブラジルやスペイン、先月の欧州遠征でイタリア、ノルウェーと対戦するなど強豪国との試合が続いている面があるとはいえ、国内組を中心にしたEAFF E-1サッカー選手権での1勝のみと苦しんでいる。
試合内容やスコアを見てもそれほど大きな差のない試合をしているが、最後のところで結果がついてこない面がある。就任から約1年が経ち、活動を通して日本人選手の特性も見てきた指揮官は「まず日本サッカーには素晴らしいタレントが多く、技術力があって状況判断もあり学習能力が素晴らしい」としながら、課題になる面を勝負への厳しさという形で表現した。
「勝利を得るところであれば、より勝負に厳しくなるところもあると思う。勝ちにこだわるには、両サイドのペナルティーエリアでの仕事をしっかりしないといけない。チームとしては基本的に全ての要素が揃っていると思う。よりタフな戦いが求められるペナルティーエリアで、時にはずる賢いことも必要になる。それによって相手がミスをすることもあれば、相手にスペースを与えないこともある。そういった必要なことをしっかりやること。ゲームコンセプトはしっかりできている」
そのうえで指揮官は「できるだけ相手の最終ラインにプレッシャーをかける。サイドにオーバーロードして数的有利を作ること。できている時もあるが忘れていることもあるので、いつそれが必要かを思い出しながら最終ラインにプレッシャーをかけることができれば、より簡単に決められるゴールチャンスもできるだろう。守備面では簡単なゴールを許しすぎてしまった。1人1人の守備への姿勢や対応を確認し、個々に必要なことをしっかりしてもらいながら。個々の努力も必要だけど、ピッチ上でそれを思い出すのも必要なこと」と、攻守の詳細に触れた。
このような点は男女問わず日本サッカー界において外国籍の指導者から指摘されることの多かった面であるものの、欧州や米国でプレーする選手が増えた今も変わらぬ課題として挙がった。最後に勝負を分けるゴール前での集中力を高めることは、女子ワールドカップ(W杯)のアジア予選を兼ねたアジアカップや、その先の本大会、あるいは2028年ロサンゼルス五輪でも必要なことは変わらない。強豪国とのマッチメークが続いている中で、そうした勝負への厳しさがチームに身についていくことが、近年の国際大会ベスト8の壁を破るのに必要だと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















