W杯から逆算、森保ジャパン異例の「72」 年内13戦で底上げ…メンバー争いはフラットに

思い切って“トライ”した1年に
森保一監督率いる日本代表は11月18日、国立競技場で行われた国際親善試合ボリビア戦(3-0)で年内ラストゲームを勝利で締め括った。指揮官の史上初の国際Aマッチ100試合目でもあった一戦では20歳のFW後藤啓介をテスト。北中米ワールドカップ(W杯)行きを史上最速で決めたことから、1年間を通して多くの新戦力がピッチに立つことができた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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今年13試合目、ラストは一丸となって掴んだ白星だった。試合は前半4分、久保建英が右サイドを突破すると、利き足とは逆の右足でクロスを供給。ペナルティーエリア内で構えていたMF鎌田大地が左足シュートで先制点を決めた。後半に入って途中出場組が躍動し、2点を追加。年内ラストを勝利で締め括った。
今年は8勝3分2敗でフィニッシュ。初戦の3月20日W杯アジア最終予選バーレーン戦(2-0)で切符を獲得し、残り3試合は“消化試合”に。6月はパリ五輪世代以下を中心として、コアメンバーは思い切って選外とするなど“トライ”に舵を切った。
最終予選では大きなメンバーやシステム変更を行わず、愚直に積み重ねてきた森保ジャパン。だが、7月に国内組で臨んだE-1選手権があったものの、今年に入ってからの招集メンバーはなんと全員で72人に上る。そのなかで国際Aマッチウィーク(3月、6月、9月、10月、11月)のすべてに参加したのは久保建英、鎌田大地、瀬古歩夢の3人のみだった。
ほかではフレッシュなメンバーを入れながら、多くの新戦力がA代表デビューを飾り、チャンスを掴んだ。19歳・佐藤龍之介のロス五輪世代も招集され、現在と未来の二軸で強化を図る森保監督ならではの底上げ法となった。
最終ラインでは伊藤洋輝や町田浩樹、冨安健洋らが負傷しており、守田英正や三笘薫らも継続して招集することができなかった。だからこそ、佐野海舟や鈴木淳之介ら若手を抜擢し、北中米W杯までに経験値を積ませることができた。何より、ブラジル相手に主力を複数人欠きながら逆転勝利できたことは本大会に向けて2チーム分の戦力を整えることができたのは大きな収穫だ。
特に9月からの3か月連続の活動では、W杯出場チームの競合と主に対戦して、現在地を図ることができた。ピッチに送り込んだことがすべてで、サバイバルを意識して取り組んだからこそ、メンバー入りの戦線に若手を含めて残った。
一方でコアメンバーもうかうかしていられない。遠藤航や板倉滉らの経験豊富なベテランも、ポジション安泰ではなくなった。W杯イヤーを前に、メンバー争いは熾烈でフラットに。間口が広がったことで来年以降、オプション作りと主力の選定に尽力することができる。
W杯に向けた逆算も2次政権ならでは。次はいよいよW杯イヤーを迎え、強豪との強化に踏み切る。史上初のベスト8、そして優勝へ。さあ、いよいよだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)




















